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2020年5月

2020年5月29日 (金)

魅惑のバター

食育インストラクター●岡村麻純

 2歳の娘が先日、バターをパンに塗って食べることを知りました。まだ油脂の取り過ぎには注意したい幼児期なので、調理に使うだけだったバター。初めて焼きたてパンにバターを塗って食べたときは2歳児なりの衝撃があったようです。
 バターは牛乳に含まれる乳脂肪を凝集して固めた物です。一般的なバターには、重量の1~2%の食塩を添加する有塩バターと、無塩バターがあります。さらにバターを作る工程途中で乳酸菌を添加し発酵させた発酵バターもあります。発酵バターは焼くことで独特のこくと香りを引き出せます。バターも油の一つですが、常温で液体の「油」とは違い、動物性の油脂で、常温で固体の物が多い「脂」に当たります。
 牛の脂の牛脂や、豚の脂のラードなどがバターと同じ「脂」です。この飽和脂肪酸を多く含む脂は、酸化しにくいという特徴を持っていますが、多量摂取は病気のリスクを高めることが分かっています。しかし、約80%が乳脂肪分のバターは、脂の中では消化も良く、幼児にも安心です。粘膜を守るビタミンAが豊富で、ビタミンDやカルシウムなど乳製品ならではの栄養も魅力です。
 過去には国民生活を表現するのに、「バターか大砲か」という言葉が生まれるほど、人々にとって欠かせない存在のバター。この言葉が生まれた頃、バター不足に困り果てたナポレオン3世がバターの代用品を発明した者に懸賞金を出し開発されたのが、今のマーガリンの起源です。マーガリンはさまざまな油を原料にして製造された加工品で、原料の脂肪酸を変化させてバターそっくりの食べ物として作られています。
 歴史を振り返っても分かるように、バターには皆が追い求める魅力があります。そこで、今までよりパンを焼くときに使うバターを控えめにして、たまには、トーストしたパンにバターを塗って食べる幸せな時間を、娘にも味わってもらいたいと思います。

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岡村 麻純(おかむら ますみ) 1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。
公式ブログ:https://ameblo.jp/masumiokamura/

指先のつぼ刺激でデトックス!

健康生活研究所所長●堤 喜久雄

 手には足の裏同様につぼがたくさんあることはご存じだと思います。つぼの刺激は、東洋医学で「気と血液の流れ道」である「経絡」を通り、全身を巡って内臓諸器官や骨格へ流れていきます。つぼや経絡を刺激する手指体操で血液やリンパの流れを良くして、老廃物が排出されやすくしましょう。
 今回は、デトックスにお勧めの体操をご紹介します。冷えの改善やむくみの解消にも役立ちます。
 体操では、押したりこすったりする動きのときに息をしっかり吐きながら行うのが効果を高めるこつです。力の入れ具合は、少し痛いけど気持ちいい程度で。空いたときにいつでも何回でもやってみましょう。
 つぼ刺激でデトックスして、心身共に軽やかにお過ごしください。


指先から温めて刺激する

(1)左手の指を右手の親指と人さし指で包み込み、指先から指の付け根までこすります。親指から1本ずつ順に、全ての指を10往復ずつこすります。指が温まってくるのを感じましょう。

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(2)次に手の甲に人さし指から小指をそろえて当てて、甲の骨の間を10往復こすります。手の甲側にも大切なつぼがたくさんあります。

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(3)手を組んで、親指をくるくると回して手のひらのつぼをこすります。手のひら全体をこするように大きく回します。右回り、左回り各10回。終わったら、反対の手でも行います。

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