ホウレンソウ
日本の「農」と「食」を学ぶ
●日本農業検定事務局
ホウレンソウの種類は、大きく東洋種と西洋種に分かれています。東洋種の葉は切れ込みが深く、根元は赤くて味が良い。西洋種の葉は切れ込みが浅めで、丸みのある形をしています。味は東洋種に劣りますが、とう立ちしにくい特徴があります。現在市場に出回っている多くの品種は、東洋種と西洋種を交配したもので、とう立ちしにくく味も良い品種です。近年では、生食用に改良された品種である「サラダホウレンソウ」も出回っています。
問題
ホウレンソウについての説明で、正しいものは次のうちどれですか。
(1)ホウレンソウには、種子に角がある西洋種と、種子に丸みがある東洋種がある。
(2)品種により日長に対する感受性が異なり、西洋種の方が東洋種より敏感である。
(3)株元部分のピンク色は、カロテンという色素成分である。
(4)収穫期に4度以下の気温に7~14日間さらされると、身を守るために体内の糖度が高まる。
解答:正解は(4)です。
解説:ホウレンソウの東洋種の種子には角があり、西洋種の種子は丸みを帯びています。ホウレンソウは長日高温でとう立ちしやすい性質があり、春まき栽培では生育期が長日になるため、日長に鈍感な西洋種や、西洋種と東洋種の交配品種が栽培に適しています。
株元部分は糖質が高く、甘味が強くておいしいのはもちろんですが、株元のピンク色はベタシアニンという色素成分で、抗酸化作用のあるポリフェノールの一種です。また、骨の形成や代謝に関わるミネラル(マンガン)も多く含まれています。
秋まきの場合は、収穫期に4度以下の気温に7~14日間さらすと糖度が高まり、おいしさが増します。
『新版 日本の農と食を学ぶ 中級編』(108ページ)より
図 東洋種と西洋種の葉の形状