2024年4月26日 (金)

食べ物で新生活のストレス対策

栄養士●吉田理江


 新しい環境と生活リズムが変化してストレスを感じやすい時期になりました。新生活のストレス対策にお薦めの栄養素を三つご紹介します。
■ ビタミンC
 野菜、果物に含まれるビタミンCは、抗ストレスホルモンの合成に欠かせない栄養素です。ストレスを感じると、体内で抗ストレスホルモンが分泌され、ビタミンCが多く消費されます。ビタミンCは、コラーゲンを合成するのに欠かせない栄養素です。ストレス対策だけではなく、美肌づくりにも役立ちます。過剰に取っても余剰分は尿と一緒に排出されるため、毎食取るのが好ましいです。食後のデザートに果物を取り入れると良いでしょう。
■ マグネシウム
 バナナ、ヒジキ、ナッツなどに含まれるマグネシウムには、神経の興奮を抑える働きがあるため、ストレス対策には欠かせない栄養素です。時間がないときの朝食やおやつにはバナナを食べると良いでしょう。ヒジキのふりかけをご飯にかけると手軽にマグネシウムが取れます。
■ タンパク質
 肉、魚、卵、乳製品、大豆製品などのタンパク質に含まれるアミノ酸の一種トリプトファンは、幸せホルモンと呼ばれる神経伝達物質のセロトニンの原料となります。このセロトニンが不足すると精神のバランスが崩れ、ストレスを感じやすくなるため、毎食タンパク質を取ると良いでしょう。トリプトファンは体内で作り出すことができません。食べないダイエットをするとトリプトファンを摂取できないため、そのようなダイエットは控えましょう。朝、時間がない方は、ヨーグルト、牛乳などを朝ご飯に取り入れるのもお勧めです。
 しっかり食べてストレスに負けない体づくりをしたいですね。

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栄養士・ダイエットコーチ
吉田 理江(よしだ りえ)
飲食店勤務後、料理研究家のアシスタントを経て独立。栄養指導、健康・ダイエットレシピの作成やコラム執筆、セミナー講師など幅広く活動中。薬膳アドバイザーやアンチエイジング料理プランナーなどの資格も多数取得。

手足まとめて刺激を与えて心地良さを

健康生活研究所所長●堤 喜久雄


 今回は、手足同時に指つぼの刺激を行います。指先には全身の健康に密接な関係があるつぼが集中しているので、1カ所ではなく手足の指全体を刺激すると効率的です。脳や五臓六腑(ろっぷ)へ心地良い刺激を送り込みましょう。
 脳トレに良い、健康に良いと一生懸命さまざまなことに取り組む中で忘れがちですが、「心地良さ」は、心身の健康にとても大切なことです。体操の場合、「イタ気持ちいい」くらいでも大丈夫ですが、無理をして「痛さ」を感じるところまで頑張ってはいけません。
 手足体操は、健やかな毎日を送るためのきっかけです。日々の自分の心身の状態をチェックしながら習慣化できると良いですね。


手足の指のつぼを刺激

(1)手のひらを下に向けます。指は握らず、指先を軽く曲げます。

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(2)手のひら側で指先が重なるように、左右から組み合わせます。親指も重ねましょう。

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(3)手を組んだまま、息を吐きながら手のひらをゆっくり近づけて、指先のつぼをまとめて刺激します。

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(4)いすに腰かけ、膝は肩幅程度に開きます。両足を手前に移動し、親指同士を近づけます。足の指先を床に着け、反らします。

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(5)(4)の姿勢のまま、(2)(3)を5回繰り返します。手と足の指つぼにまとめて刺激が入ります。このとき、イタ気持ちいいを目安に行いましょう。

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2024年3月27日 (水)

温暖化でも春に霜害

気象予報士●檜山靖洋


 ここ近年は、桜の開花が早まり、西日本や東日本では、入学シーズンよりも卒業シーズンに桜が見頃になることも少なくありません。これも地球温暖化が原因の一つと考えられます。春に気温が高くなると、他にも影響があります。
 2021年4月、福島県では遅霜による農作物の被害が大きくなりました。開花期の果樹は花に障害が出て、発芽期の果樹は芽が枯死するなどの影響があったということです(福島県農林水産部農業振興課「令和3年凍霜害の記録」より)。この年の春は、気温が高く経過したため、農作物の生育が早まりました。気温が高く経過する春でも、時には冷え込み、遅霜が降りることがあります。農作物の生育が早まる分、霜が降りやすい時期と重なり、むしろ果樹への霜害の危険性が高まってしまいます。
 地球温暖化時代は、遅霜による農作物の被害の危険性が高まるため、より一層の対策が必要になります。

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気象予報士・防災士
檜山 靖洋(ひやま やすひろ)
1973年横浜市生まれ。
明治大学政治経済学部政治学科を卒業後、印刷会社に就職。
1999年に気象予報士を取得し気象会社へ転職。
2005年からNHKの気象キャスターに。
朝のニュース番組「おはよう日本」の気象情報に出演中。

手足の指つぼ刺激体操で脳生き生き

健康生活研究所所長●堤 喜久雄


 今回は、手足の指を動かし、つぼを刺激する体操をご紹介します。
 手は脳とつながる神経細胞が多く、第2の脳と呼ばれます。末梢(まっしょう)神経が多く通う指先を動かしてつぼを刺激すると、脳への血行が促進され、脳の働きが活発になるといわれています。
 足指のつぼも同様に刺激すると体全体の巡りが良くなります。
 手足の指はどちらも左右均等に動かしましょう。右手は言語や計算など論理的思考をつかさどる左脳、左手は直感などイメージや芸術性に関わる右脳と関係があるとされます。
 仕事や勉強を始める前に行うのもお勧めです。普段から手足の体操を取り入れ、脳を活性化させましょう。


手足の指のつぼを刺激

(1)爪の生え際のつぼをイタ気持ち良い程度の強さでつまむように押し、ぐりぐりと揺らしながらもみほぐします。親指から小指まで順に10回ずつ行いましょう。

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(2)いすに座り、太ももの上に反対の足の足首を乗せ、足の指先のつぼをもみほぐします。親指から小指まで順に10回ずつ行い、時間があれば指の関節や付け根も、もみほぐしましょう。

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(3)足を組めないときは、片方のかかとで反対側の足指の爪先をこすって刺激します。

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ポイント
体調に応じて、すっきりするまで3〜5セット繰り返しましょう。

2024年2月27日 (火)

食べ物で紫外線対策

栄養士●吉田理江


 紫外線量が増え始める春からしっかりと対策を行うことが美しい肌への近道です。日焼け止めクリームなどの紫外線対策は必須ですが、普段の食事を意識し内側からケアをするとさらに美しい肌になれるでしょう。今回は、春の紫外線対策にお薦めの栄養素を三つお伝えします。
■ ビタミンA
 ニンジンなどの緑黄色野菜、レバーなどに含まれるビタミンAには、紫外線でダメージを受けた肌を修復する働きがあります。ビタミンAは、抗酸化作用があるため美肌づくりには欠かせない栄養素です。緑黄色野菜に含まれるベータカロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変わります。油と一緒に取ると吸収がされやすくなるため、炒め物にしたり、ドレッシングをかけると良いでしょう。今が旬の、甘くてジューシーな春ニンジンにマヨネーズを付けて食べるのもお勧めです。
■ ビタミンC
 野菜、イチゴなどの果物に含まれるビタミンCには、染みのもとになるメラニンの生成を抑える働きがあります。染みを防ぐには、食事からビタミンCを取り、メラニンを過剰に作らせないことが重要ですが、ビタミンCは、体内に蓄えられないため、小まめに取るようにしましょう。しかし、余過剰分は尿中に排出されるため、一度に過剰に取るのは控えてください。間食や食後のおやつに果物を食べると手軽にビタミンCが取れます。
■ ビタミンE
 ゴマ、ナッツなどに含まれるビタミンEには、血行を促進し、肌の代謝を高める働きがあります。肌の代謝が高まると染みのもとになるメラニンの排出が促されるため、紫外線対策には、ビタミンEは欠かせない栄養素です。ビタミンCと一緒に取ると抗酸化作用が高まるのでサラダにナッツをトッピングして食べると良いでしょう。
 食べ物で紫外線から肌を守り、美しい肌を保ちたいですね。

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栄養士・ダイエットコーチ
吉田 理江(よしだ りえ)
飲食店勤務後、料理研究家のアシスタントを経て独立。栄養指導、健康・ダイエットレシピの作成やコラム執筆、セミナー講師など幅広く活動中。薬膳アドバイザーやアンチエイジング料理プランナーなどの資格も多数取得。

手足の指先刺激(1) 血行促進でリラックス

健康生活研究所所長●堤 喜久雄


 春先は寒暖差が大きく、体を冷やしがちです。準備運動として手足の指先から温めていきましょう。
 今回ご紹介するのは、手足こすりです。皮膚に刺激を与えることで、血管が拡張し、血液の巡りも促進され、体が温まります。副交感神経が刺激され、リラックスしながら自律神経を整えることができます。
 手足こすりはとても簡単な体操なので覚えておきましょう。いつでも活用できて役に立ちます。外出先や冷え性の方は靴下をはいたままでも構いませんが、自宅で体操をするときは素足で行うとなお効果的です。
 回数に決まりはありませんので、気持ち良く温まってくるまで行いましょう。

手足をこすり温める

(1)手のひら同士をこすります。時間があるときは手の甲側もこすりましょう。

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(2)足の甲側を、反対側の足の指や足裏でこすります。足のつぼは甲にも多くあります。

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(3)(1)(2)を同時に行い、手足を共に温めます。

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2024年1月30日 (火)

食べ物で花粉症対策

栄養士●吉田理江


 暖かい日が増え、過ごしやすい季節になってきました。しかし、鼻水など花粉症の症状でお悩みの方も多いのではないでしょうか。免疫機能を高めると症状を和らげることができるため、今回は花粉症対策にお薦めの栄養素を三つお伝えします。
■ ビタミンB6
 肉・魚介類などの動物性食品に多く含まれるビタミンB6には、免疫機能を正常に保つ働きがあります。ビタミンB6は、光、加熱に弱く、冷凍、加工すると損失されやすい栄養素です。カツオ、マグロの刺し身など、新鮮な魚介類を食べると良いでしょう。生の魚介類が苦手な方は、バナナがお薦めです。バナナにもビタミンB6が含まれています。時間がない朝やおやつにバナナを食べると良いでしょう。
■ ポリフェノール
 植物に存在する色素や苦み成分のポリフェノールには、アレルギーの炎症を抑える働きがあります。ブルーベリーなどの青紫色の色素に含まれるアントシアニンなどが有名です。ポリフェノールには、酸化を防ぐ働きがあるため、美しい肌を保ちたい方にもお薦めです。野菜、果物の皮にはポリフェノールが豊富に含まれているので皮をむかずに調理すると良いでしょう。緑茶にはカテキンという渋み成分のポリフェノールが含まれています。手軽にポリフェノールを取りたい方は、緑茶がお薦めです。
■ 食物繊維
 野菜、海藻、果物などに含まれる食物繊維は腸内環境を整える働きがあります。免疫機能の約70%が腸内に存在するとされており、花粉症対策には、腸内環境を整えることが重要です。みそ汁に野菜をたくさん入れたり、おやつに果物を食べるなどし食物繊維を取ると良いでしょう。
 免疫機能を正常に保ち花粉症の症状を和らげるためには、規則正しい生活習慣も大切です。早寝早起きを心がけましょう。

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栄養士・ダイエットコーチ
吉田 理江(よしだ りえ)
飲食店勤務後、料理研究家のアシスタントを経て独立。栄養指導、健康・ダイエットレシピの作成やコラム執筆、セミナー講師など幅広く活動中。薬膳アドバイザーやアンチエイジング料理プランナーなどの資格も多数取得。

自転車こぎ体操でウオームアップ

健康生活研究所所長●堤 喜久雄


 寒い時期は、体が外気に触れると、体内の熱を外へ放出しないよう急激に全身の筋肉が収縮します。散歩前や車から降りる前にウオームアップをしましょう。心臓や脳から遠い手足を軽く動かします。
 今回は楽しくできる自転車こぎ体操をご紹介します。手のグーパー体操も取り入れ、脳トレも同時に行いましょう。


エア自転車で手足を動かす
家にいる場合は(1)(2)、立ちにくい場合は(1)のみを、それぞれ3セット繰り返します。

(1)いすに座り、自転車をこぐように1分間足を回します。このとき、太ももの下側に手のひらを当て、手の指先を動かして太ももを押し上げます。太ももは意識して上げ、足首も上下にしっかりと回しましょう。

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(2)背筋を伸ばし、おなかを引き上げるイメージで片足立ちします。自転車の片足こぎのイメージで片足30秒ずつ、計1分間足を回します。両手は自転車のハンドルを握るように前に出し、グーパー体操をします。

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ポイント
(2)では片足立ちになるため、難しい場合は各足10秒ずつから始めてみましょう。

2023年12月27日 (水)

しっかり食べて冬の健康な体づくり

栄養士●吉田理江


 正月太りで体重が戻らないという悩みを抱える方も少なくありません。焦って食事を抜いてしまうと、基礎代謝が低下して痩せにくくなります。体調不良を招く恐れがあるため、食事を抜くのは危険です。今回は、「食べながら」健康な体づくりに役立つ栄養素を二つお伝えします。
■ カリウム
 体内の余分な塩分を排出する働きがあるカリウムは、むくみ解消効果が期待できます。おせち料理など、塩分の取り過ぎが原因で体がむくみ、体重が増えた方にはお薦めの栄養素です。かんきつ類の果物、ジャガイモ、切り干し大根、アボカド、ホウレンソウなどに多く含まれているカリウムは、水に溶け出しやすい性質があるため、野菜からカリウムを取る場合は、生野菜、汁物などにして汁ごと取るのがお勧めです。おせち料理を食べた後のデザートにミカンを食べたり、サラダにアボカドをのせて食べるのも良いでしょう。
■ 炭水化物
 体や脳を動かすエネルギー源となる炭水化物は、健康な体づくりに必要な栄養素です。米、パン、麺類などの炭水化物は太るというイメージがあるかもしれませんが、炭水化物は、糖質+食物繊維の総称です。炭水化物を抜くと食物繊維の摂取量が減り、便秘を招いてしまう恐れがあります。便秘は、直接的には体重増加につながりませんが、便秘で老廃物が腸内にたまると、有害物質が発生しドロドロの血液が体内を巡ります。質の悪い血液には脂肪が蓄積されやすくなるため、3食で炭水化物を取りましょう。そして、便秘になると吹き出物ができやすくなります。美しい肌を保つためにも炭水化物は必要な栄養素です。忙しいときは、レトルトのご飯を活用すると良いでしょう。
 栄養素はチームで働きます。野菜、米だけを食べるのは控えましょう。肉、魚などのタンパク質、油などの脂質も取り、健康な体づくりをしたいですね。

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栄養士・ダイエットコーチ
吉田 理江(よしだ りえ)
飲食店勤務後、料理研究家のアシスタントを経て独立。栄養指導、健康・ダイエットレシピの作成やコラム執筆、セミナー講師など幅広く活動中。薬膳アドバイザーやアンチエイジング料理プランナーなどの資格も多数取得。

指先マラソンで脳への血行を促進

健康生活研究所所長●堤 喜久雄


 寒い季節は外に出るのもおっくうになりがちです。活動不足を補うためにも、効率良く短時間で血行を促進できる体操をご紹介します。
 手首も回転させ、指先をこすり合わせながら動かします。脳の血流をアップさせ、創造力や記憶力も高める効果が期待できます。
 繰り返し行う習慣を身に付け、脳の若さを保ちたいですね。ゆっくりで構いませんので、正確な動作を心がけましょう。慣れてくると楽に動かせるようになりますよ。


いずれかの指先を合わせる
(1)〜(5)の動きを5回繰り返します。

(1)右手の人さし指と左手の親指、右手の親指と左手の人さし指を合わせます。

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(2)右手の人さし指と左手の親指は支点として付けたまま、右手の親指と左手の人さし指を離します。

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(3)右手の親指を手前へ、左手の人さし指は奥へ回転させ、上で指先同士を合わせます。

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(4)右手の親指と左手の人さし指は支点として付けたまま、右手の人さし指と左手の親指を離します。

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(5)右手の人さし指は奥へ、左手の親指は手前へ回転させ、上で指先同士を合わせます。

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ポイント
1セット5秒程度の速さで練習し、少しずつ速く動かしてみましょう。