2017年5月 1日 (月)

5月から熱中症対策

気象予報士(株式会社ハレックス)●檜山靖洋

 5月は一年の中で最も過ごしやすい季節と言っても過言ではありません。暑さはまだ厳しいほどではなく、湿度も低めで、とてもすがすがしい季節です。
 まだ熱中症に注意が必要な日は少ないですが、この先急に暑くなる日も出てくる時期です。本格的な暑さがやって来るまでに、暑さに慣れた体にしておくことが大切です。
 少し汗をかく運動や作業を週に3~4日行い、運動後、作業後にコップ1杯の牛乳を飲むと、熱中症に強い体になるといいます。その体を手に入れるには、高齢者の場合は、週に3~4日の運動や作業を3~4週間行う必要があります。このため、暑さが厳しくなる前の5月から対策を始めた方が良さそうです。真夏になっても、熱中症になりにくい体で、運動などができるといいですね。真夏の熱中症との戦いは、5月から始まります。

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田んぼにはまる

よこはま里山研究所NORA●吉武美保子・石田周一

 今、親子ですっかり田んぼにはまっています。近くに里山のある街に越して来てからです。都心に住んでいた頃には想像もできませんでした。
 この地域には市民が参加体験できる田んぼがさまざまあるのです。田植えと稲刈りだけの場合もありますが、私たちは米作りの全過程に参加しています。農家の指導の下、3月の田起こし、4月の種まき、苗作り、あぜ塗り、代かきなど、田植えまでの過程を体験します。5月は連休も毎週末も作業があります。多いときには、1枚の田んぼに20人もの人が集まります。
 全てが初めてで新鮮なのですが、特に代かきには興奮しました。田んぼに水を入れて土と混ぜ田植えの準備です。旧式の手押し型の耕運機で田んぼの中を行ったり来たりします。よたよたと泥を浴びる姿に「機械を使っているんだか、機械に使われているんだか、分からんな」と農家に笑われました。
 子どもたちは、もううれしくてうれしくて泥の中を転げ回っていました。自然の中での笑顔がなんとも子どもらしく、いい姿でした。
 田んぼに仲間が集まり、笑顔があふれるのは、街に近い里山故の素敵な光景だと思いました。一方で、農家の問わず語りを聞くと、都市近郊での小規模の米作りはどうしても赤字になるそうで、やめていく農家も多く、あちこちで田んぼが埋められているそうです。先祖代々の田んぼを守りたい、家族が食べる米は自分で作りたいという思いで続けているそうです。そして、こうして新住民と米作りを楽しめることも大事にしていると聞きました。
 普通のサラリーマンである私は、普段の思考は収益第一で、時には競争に勝たねばならないと仕事をしています。米作り体験を楽しみながら、人が働くこととはいったい何だろうかと考えています。

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よこはま里山研究所NORA…http://nora-yokohama.org/

2017年4月 3日 (月)

認知症をオープンにする

公益社団法人●認知症の人と家族の会

■認知症の方
男性、42歳、要介護1
 初期の認知症である私は、見た目には普通の人と何も変わりがないため、物事を頼まれることもあります。しかし、それに応えようとしてもできないこともあり、そのことで全てが嫌になってしまいます。
 そこで私は、アルツハイマー型の認知症であることをオープンにしようと思いました。そのことを理解してもらうことで、サポートしてくれる人がたくさんいることを知ったからです。とはいえ、まだまだ認知症に偏見を持っている人もたくさんいます。そこで、両親や妻と娘たちに相談したところ、「あなた(パパ)は悪いことをしているのではないのだから、何も心配することはない」と言って賛成してくれました。私はその言葉で、オープンにしようと決めたのです。
 私は、自分が認知症になったことを恥ずかしいとは思っていません。好きでなったのではないし、なろうと思ってもなれるわけでもないのですから。別に何も周囲の人たちと変わりがなく、ちょっと記憶が悪いくらいで、これも個性だと思えばおかしくありません。認知症になったことを恥ずかしいと思うことの方が、ずっと恥ずかしいと私は考えます。
■アドバイス
 ご家族の理解と心強い支えがあったからこそ、認知症であることをオープンにする勇気を持てたのだとお察しします。それでも、いつまで仕事を続けられるかという不安はおありでしょう。認知症になっても周囲の人の少しの支えがあれば、「できないこと」ができるときもあります。それが自信にもつながるのでしょうが、決して無理をなさらず「今、できること」に全力を尽くされることを願っています。

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認知症の人と家族の会…http://www.alzheimer.or.jp

朝ご飯のススメ

管理栄養士・雑穀料理家●柴田真希

 一日のスタート。朝食はきちんと食べていますか? 少しでも長く布団の中にいたい気持ちも分かりますが、10分だけ早く起きてしっかりと朝ご飯を食べることをお勧めします。
 「朝ご飯をしっかりと食べている人の方が成績が良い」とは、よく聞きますが、サラリーマンにいたっては「朝ご飯を食べる人の方が年収が良い」というデータもあります。
 これは、勉強や仕事をするときに活動する「脳」の唯一のエネルギー源がご飯などに含まれる炭水化物が分解されてできるブドウ糖だからと考えられます。朝ご飯をしっかりと食べないと、ぼーっとした状態で午前の時間を有効に使えていないことになるのです。また、成績や仕事の効率だけでなく、朝ご飯を食べそしゃくをすることで血行が促進され肌つやも良くなります。女性はお化粧の時間の短縮にもつながるだけでなく、余計な化粧品代がかからなくて済むかもしれません。体温も上がりやすくなるので、冷え症などの改善にもつながります。
 お勧めの朝食はやはり「ご飯とみそ汁」。加えて納豆やさけの塩焼き、お漬物などがあれば、もういうことはありません。最近はスムージーなどもはやっていますがスムージーはそしゃくができないというデメリットもあります。食べながらあご周りのエクササイズはできないのです。しっかりとかんで顔の血色を良くするにはご飯の方が良いでしょう。
 もしも朝食を家で取る時間がない人は「おむすび」にするのもお勧めです。お弁当を作るお母さんは朝から少し作業が増えてしまいますが、成績アップ、年収アップのためにも愛情込めたご飯でおむすびを作ってみてはいかがでしょうか。

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柴田真希(しばたまき) 株式会社エミッシュ代表取締役。Love Table Labo.代表。管理栄養士、雑穀料理家、フードスペシャリスト、1級惣菜管理士、健康食育シニアマスター、漢方養生指導士(漢方スタイリスト)。著書に『女子栄養大学の雑穀レシピ』(PHP出版)『おなかやせ定食』(主婦の友社)などがある。


休める日本が地方を潤す

ノンフィクション作家●島村菜津

 大分県宇佐市の安心院(あじむ)という農家民宿で頑張っている地域をご紹介したいと思います。
 この町へは『九州のムラ』という雑誌に招かれて、遊びに行ったのが最初です。1980年代からの農家民宿の先進地で、そのきっかけは、そもそもブドウ作りとワイン造りの里として、国もこれを奨励し、張り切っていたところで、安い外国からのワインが輸入されるようになり、300軒近くあったブドウ農家は、一気に80軒ほどに減り、これも先行き不安だというので、ドイツなどの先進地を見学した上で踏み切った一つの策が、農家民宿による活性化でした。近頃、私もとんとご無沙汰していて、これを書きながら心苦しいのですが、子どもが幼い頃には、自然に触れさせたいと、貴重な卵拾いやうどん打ちの経験もさせていただきました。本物の田舎を教えたいと、イタリアの友人たちを連れて行ったこともあります。
 なぜ、ここであらためて、安心院の農家民宿の話をしたいかといえば、それは、日本という国の働き方が、今、もっと良くならなければ、農家民宿は軌道に乗らないからです。地方の活性化には、休める日本が不可欠なのです。
 「安心院のグリーンツーリズム研究会」の会長を務め、ブドウ農家でもある宮田静一さんが、2年前に上京し、大学の専門家たちも巻き込み、何とかメディアを動かそうと四苦八苦しています。「もう連続有給休暇が取れない会社の役員は、処罰を受けるくらいの法的規制が必要です」と宮田さんの言葉に力がこもるのは、1980年代から言い続けても、なかなか変わらないからです。昨今も上場企業の過労死が話題になっていますが、日本では、いまだに年にまとまった休みさえ取れない若者たちがあふれています。
 2011年のデータでは、フランスやスペインの平均有給休暇の取得日数が30日、イギリスやスウェーデンが25日に対し、日本はわずか5日。先進国としては劇的に低いのです。中国でさえ1999年にバカンス法を制定、国内のリゾート地を活性化に導いたそうですし、フランスでは、連続12~24日の休暇という規定を設け、地方の経済に貢献したそうです。1970年に改定された国際労働機関によるILO132号条約では、「年間最低3週間の有給休暇の付与」と「最低2週間の連続休暇の付与」とが義務付けられていますが、日本はまだ批准していません。日本の休み方が変わり、高い交通費がもう少し解消されれば、都市住民に、どれだけ田舎に足を運ぶゆとりが生まれることでしょう。
 日本全国の農家民宿や温泉場、長期滞在型の農村観光を模索する地域は、今こそ、安心院のバカンス法制定の動きに連動し、「もっと休める日本を!」の声を上げるべきです。盆や連休に集中する休暇をもっと分散するだけでも、地方は大いに助かるのです。

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(上)安心院の農家民宿で供された「ウエルカムおにぎり」
(下)「バカンス法制定」に向けて連動しようと呼び掛ける安心院のグリーンツーリズム研究会の宮田静一会長(宇佐市安心院町の宮田ファミリーぶどう園の「巨峰」の畑で)


島村 菜津(しまむら なつ) ノンフィクション作家。1963年生まれ。東京芸術大学美術学部イタリア美術史卒。イタリアでの留学経験をもとに『スローフードな人生』(新潮社)を上梓、日本にスローフードの考えを紹介する。『スローな未来へ』(小学館)『そろそろスローフード』(大月書店)『スローシティー』(光文社)など著書多数。

おにぎりダイエット


管理栄養士・雑穀料理家●柴田真希

 これからだんだん薄着の季節になり、気になるダイエット。しっかりとエネルギー(カロリー)管理したいけど、なかなか難しい……。そんな人にお勧めなのが「おにぎりダイエット」です。パンよりも脂質の割合の低いご飯はダイエットに最適。コンビニなどのおにぎりもだいたい1個100gなので計算がしやすいのです。100gのご飯は168kcal。のりや具材も入れるので、だいたい1個180 kcalとしましょう。
 年代や生活活動強度にもよりますが、1日の推定エネルギー必要量は男性で2500 kcal、女性で2000 kcalです(※)。
 男性だと1日8個、女性で6個のおにぎりを食べると、ご飯6割:おかず4割のバランスが取りやすくなります。もちろん毎食おにぎりを食べることもないと思うので、お茶わんの場合はおにぎりくらいの量、と目安にしてください。
 これだけのご飯を食べて、残りをおかずにすると余分な脂質や塩分を取らずに済みます。
 他にもおにぎりにするメリットがあります。一つは「レジスタントスターチ」。初めて聞いた人も多いかもしれませんが、温かいご飯が冷めることでできるレジスタントスターチは難消化性でんぷん、つまり糖として吸収されにくいでんぷん(スターチ=starch)なのです。 もちろん炊きたてのおいしいご飯をわざわざ冷やすことはないですが、冷たくてもおいしいおにぎりはそのままいただきましょう。
 でんぷんには糖として吸収されやすいスターチと吸収されにくいスターチ(レジスタントスターチ)があったのです。
 しかも、同じでんぷんでも加熱後冷やすことにより、レジスタントスターチの量が増えるのです。
※1日の推定エネルギー必要量(kcal) 生活活動強度II(普通)

柴田真希(しばたまき) 株式会社エミッシュ代表取締役。Love Table Labo.代表。管理栄養士、雑穀料理家、フードスペシャリスト、1級惣菜管理士、健康食育シニアマスター、漢方養生指導士(漢方スタイリスト)。著書に『女子栄養大学の雑穀レシピ』(PHP出版)『おなかやせ定食』(主婦の友社)などがある。

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2017年2月28日 (火)

桜は寒暖が必要

気象予報士(株式会社ハレックス)●檜山靖洋

 桜が早く咲くか遅く咲くかは、気温が大きく影響します。春先に暖かければ早く咲くことが多いですが、暖かくても早く咲かないことがあります。
 桜は、夏に花の芽を作ります。秋になると「休眠」といって、花の芽はいったん眠りに入り成長を止めます。冬に寒さにさらされると、眠りから目を覚まし、その後は暖かさで成長し開花します。暖冬により寒さが弱いと、すっきり目を覚まさず、その後、暖かくなっても成長が鈍いことがあります。寝ぼけていると出掛ける支度が進まない人間と同じですね。
 冬には寒さにさらされることも必要です。特に温暖な地域で暖冬になると影響があり、伊豆諸島の八丈島では、開花が遅れただけではなく、満開にならないまま葉桜になってしまった年がありました。
 温暖化が進むと、その他の地域でも、きれいに咲きそろわないことが出てくるかもしれません。

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初めての里山歩き

よこはま里山研究所NORA●吉武美保子・石田周一

 里山と関わることの素晴らしさをご紹介したいと思います。
 家族4人で初めて歩いた里山の散歩道には、ワクワクがいっぱいありました。
 畑の土の色、野菜の緑や黄。芽吹き始めた雑木林は煙ったような薄緑。そして、山桜の薄いピンク。全てが生き生きとしているのです。
 ここに越してきて良かったなと実感しました。都心部から郊外に来たのですが、電車では30分ほどの距離です。ゆったりしていて、便利なお店なども多い街です。その住宅地のすぐ近くに予想以上の豊かな自然があって、驚きました。
 深呼吸すると、それだけでごちそうのように気持ちいい柔らかな空気。畑の黄を指さし「きれいだね、菜の花だよ」と子どもに語り掛けると、後ろから「ありゃ、小松菜だぁ」という声が……。びっくりして振り返ると、くわを抱えたおじさんが笑っていたから、またびっくりです。「そんで、あっちの薄い黄色は水菜。片付けが間に合わないと花が咲いちまうんだよ」と。スーパーでしか見たことなかった野菜が、目の前にあって、ちょっとした衝撃でした。見とれていると、おじさんがそんな花たちを束にして持って来てくれ、「食えないけど、飾れるだろ」。そこには、なんとテントウムシの赤。キラキラ輝いて見えました。息子の手に載せると、小さな命に息子は息を凝らしていました。やがて指先から飛び立つと、姉も一緒に歓声を上げました。
 雑木林からウグイスの気持ち良さそうな歌声が聞こえました。みんなで姿を探したのですが、見つかりませんでした。家に帰り図鑑で確かめました。「スズメ目ってあるよ。スズメの仲間なのかなぁ?」「次の散歩では姿を見たいね」と話しました。そういえば、前の街では灰色のハトくらいしか見掛けませんでした。里山にはいろんな楽しみがあるのです。

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よこはま里山研究所NORA…http://nora-yokohama.org/

地域を豊かに~歩いて楽しめる町2

ノンフィクション作家●島村菜津

 日本を旅すると、つくづく、美しい景観に恵まれたぜいたくな島だなあと実感します。高度経済成長期のスクラップ・アンド・ビルドの時代には、この国では、景観を創るといった視点は、とかく忘れ去られがちでした。ところが、近頃、海外の旅行者が増えたこともあり、観光立国ニッポンという言葉もささやかれるようになりました。そして、ようやく景観を保護し、整えていくことは、地方の活性化に欠かせない要素である、という意識が芽生えてきました。
 そんなことを考えていると、いつも思い出すのが、あるイタリア人のつぶやきです。ジャコモ・モヨーリさんといって、かつてスローフード協会(1986年、世界最大手のハンバーガーチェーン店のローマへの進出を機に生まれた食の多様性を守るボランティア団体。後に北イタリアのブラを国際本部としNPO化)の副会長だった人です。
 そのジャコモさんが、あるとき、熊本県の水俣市に招かれ、2泊3日で、湯の鶴温泉や農家民宿に泊まりました。山村やリアス式海岸の景色をのんびり楽しんでもらうことで、有機水銀公害の地として世界的に知られたこの町が、今では有数のオーガニックの緑茶農家やミカン農家も抱え、ごみのリサイクルも徹底した環境都市として奮闘する姿を、ただ知ってもらおうという企画でした。
 山間地の頭石(かぐめいし)という美しい古民家が点在する集落で、しっとりと朝霧をまとった杉山の光景をしばらく眺めていたジャコモさんは、「日本の山は美しいねえ」と漏らしました。日本人の私は、戦後、杉ばかり植林した山の荒れようが気になりますが、地中海地方で育った人には、東山魁夷の絵画ではないですが、純粋に美しいと映ったようです。
 ところが、それから猛然とけちをつけ始めたのです。「せっかく、これほど美しい石積みの文化がありながら、農家の塀を味気ないコンクリートにするのか」「どうして、きれいに手入れした植木の並ぶ庭の一角をトタンで台なしにする」「なぜ緑の山の絶景を、金属のガードレールで壊す。生え放題の竹で強度の高い物を作れないのか」という具合です。その検閲官のような様子を眺めながら、「なるほど、欧州人は、こんなふうにして地元の景観を整えているのだな」と合点しました。国の予算や法律はもちろん大切ですが、まずは個々の意識。しかし、忘れられないのは、その後のつぶやきでした。
 「こんなに美しい景色がありながら、ここにベンチの一つもないなんて。日本人は都会人に限らず、田舎の人も忙しくて、ゆっくり地元の美しさをめでるゆとりがないのかな」
 内心、ぎくりとしました。世界遺産の絶景や苦労して登った山頂で、ゆっくり景色を眺めても、自分が普段、暮らす地元の美しさは、意識の外に置いていたような気がして。
 まずは、地元の知られざる絶景を探してみてはどうでしょう。そして、そこに眺める場所がないな、と感じたら、ベンチを置くも良し、お茶屋を造るも良し、そうやって、地元をじっくりめでる場を増やしてみてはいかがでしょう。

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熊本県水俣市薄原地区の緩やかな棚田と山の風景(写真上)

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頭石地区の古い蔵を利用した農家民宿。烏骨鶏の卵掛けご飯に始まり、自家製づくしの朝食は最高(写真下)


島村 菜津(しまむら なつ) ノンフィクション作家。1963年生まれ。東京芸術大学美術学部イタリア美術史卒。イタリアでの留学経験をもとに『スローフードな人生』(新潮社)を上梓、日本にスローフードの考えを紹介する。『スローな未来へ』(小学館)『そろそろスローフード』(大月書店)『スローシティー』(光文社)など著書多数。

2017年1月31日 (火)

春一番

一般財団法人日本気象協会●檜山靖洋

 春一番は、季節が冬から春に変わるころに初めて吹く暖かい南寄りの強い風のことです。春一番の条件は、立春から春分までの間に、日本海で低気圧が発達し、風速8m以上の南寄りの風が吹き、気温が上がる現象です。この春一番は、九州から関東、北陸の各地方で発表されます。この時期に春一番という季節感が合わない東北や北海道、沖縄では発表していません。
 春一番は春の到来を告げるものですが、もともとは長崎県の漁師が春の強い風により被害を受け、その春の風を春一番と呼んで、恐れたということです。
 この時期、冬の寒気が残る中、時折春の暖かい空気が流れ込みます。すると、寒気と暖気がぶつかり合い、低気圧が発達し風が強く吹きます。時には猛烈に低気圧が発達し、暴風が吹き荒れることもあります。これから春は風が強い日が多い季節です。

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