2019年3月28日 (木)

座って全身運動その1 手足20本の体操

健康生活研究所所長●堤 喜久雄

 いよいよ農作業が本格的に始まります。とはいえ春先は寒い日と暖かい日が交互に訪れ、体調を崩しやすい季節でもあります。今回ご紹介する体操は、座ったままで行えるグーとパーだけを使ったシンプルなもの。手足同時に動かすことがポイントです。
 夜、手先や足先が冷たくて寝付けないとき、あるいは朝起き抜けに体が動かないときなどに行うのがお勧めです。運動量は少なくても、血行促進に効果があります。脳梗塞や心筋梗塞の予防にも役立ちます。
 慣れてきたら右半身と左半身の使い分けをするなど応用してみましょう。スピードを変えたり、「グー、パー」と声に出したり、立ってやってみたりと自由自在にアレンジが可能です。シンプルな動きだからこそ、飽きずに続けられる体操でもあります。


ステップ1 手足同時にグーパー

(1)椅子に座り、両手と両足同時にグーにします。手の親指は内側に握り込み、足は床から爪先を上げて指を丸めます。

(2)両手と両足を同時にパーにします。このとき、爪先は床に着け、指をリラックスさせます。このグーパー体操を1分間、秒針の速さで交互に繰り返します。

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ステップ2 右半身と左半身で交互にグーパー。

(3)右手と右足をグーに、左手と左足をパーにします。
(4)右手と右足をパーに、左手と左足をグーにします。ステップ1と同じ速さで繰り返します。

2019年2月27日 (水)

めまいへの対処法

佐久総合病院名誉院長●松島松翠

 急に立ち上がったときに、目の前が暗くなったり、クラクラッとする立ちくらみ。これはなぜ起こるのでしょうか。これを防ぐにはどうすればよいでしょうか。
 めまいには、三つの種類があります。冒頭で述べたようなクラクラする立ちくらみは、めまいの中では最も多いものです。立ちくらみの主な原因は、起立時の急激な血圧低下で、脳への血流量が少なくなることです。普段から低血圧気味の方は、急に立ち上がらないように注意してください。もし症状が起きたら、横になって頭を低くしているのが良いでしょう。
 二つ目のめまいはふわふわするめまいです。体がふわふわ浮かんでいるような、またはふらふら揺れているようなめまいです。患者さんによっては、宙に浮いているように感じたり、柔らかいソファーの上に立っているように感じることもあるようです。
 これは過労や睡眠不足、ストレス、不安などで心身が不調なときに起きやすいとされています。その他、内耳の病気で起こったり、まれに脳の病気が原因の場合もあります。
 三つ目は、ぐるぐる回るめまいです。自分や周囲が激しく回転しているように感じます。このタイプのめまいは、主に内耳の病気が原因で起こります。メニエール病や前庭神経炎などがあります。
 対処法としては、十分に休んでもめまいが改善しなかったり、症状がつらい場合には、耳鼻咽喉科を受診してください。
 めまいと同時に、激しい頭痛が起こる場合、手や脚のしびれやマヒが出る場合、ろれつが回らない場合は、できるだけ早く救急外来や脳神経外科を受けてください。

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お風呂で疲れを癒やす

健康生活研究所所長●堤 喜久雄

 3月とはいえ寒さが続きます。肩や首、背中がこわばるような感じはありませんか。寒さで筋肉が縮む上、衣類を着込むことで動きが制限され、血行不良になることが原因といわれています。体の凝りをほぐしていくことを意識していただきたいと思います。
 手っ取り早い解決法は入浴です。特に寒い時期は温かいお風呂に入って、しっかり体を温めたいもの。入浴中に指先体操を行うことで血液の巡りが良くなり、より効果的に疲れを癒やすことができます。併せて足先もほぐすと良いでしょう。
 気を付けたいのは、お湯の温度。38度から40度程度のぬるめのお湯がお勧めです。また、居間と脱衣所と浴室の温度差をできるだけ小さくしておくことも忘れずに。急激な温度変化は血圧などにも影響を与え、体に負担をかけることになります。
 体操はゆっくりで構いません。全身を十分ほぐしてリラックスできたら、寝付きも良くなりますよ。


ステップ1 お風呂でグー・チョキ・パー!

(1)湯船の中で両手を使ってグー・チョキ・パーを繰り返します。

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(2)同様に足指でもやってみましょう。

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ステップ2

慣れてきたら、手と足でじゃんけんしましょう。

2019年1月30日 (水)

草生える季節

気象予報士(株式会社ハレックス)●檜山靖洋

 2月は「如月(きさらぎ)」ともいいます。「小草生月(おぐさおいづき)」や「草木張月(くさきはりづき)」という別名もあります。
 2月になると暖かい日が出てきます。「光の春」という言葉もあるように、日差しは確かに明るさ・強さを増してきます。小草生月や草木張月という言葉が表すように、日差しの強さ、気温の上昇により、小さな草があちこちで芽吹きます。茶色一色だった風景に少しずつ緑が加わります。小さな生命の力強さを感じ、生き生きとした気分を味わえる季節です。草生える季節から次第に山笑う季節となっていきます。
 暖かい日があってもまだ寒さが残ります。如月は「衣更着」とも書きます。寒さが戻り、衣服をさらに着ることがあるためです。気温の変化が大きく体調を崩しやすいです。風邪をひかないように気を付けましょう。

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散歩をしながら脳トレ

健康生活研究所所長●堤 喜久雄

 散歩を楽しみながら、指先を動かして頭脳トレーニングも取り入れてみませんか。
 手の動きに意識を向ける手指体操だけでも脳に刺激が入りますが、歩く動作を加えることで脳トレ効果がアップします。また、漫然と歩くより歩調もリズミカルになることで全身運動になり、血行も促進されます。特に寒い時期はお勧めです。
 腕を前後に振る動きに合わせて手指を動かします。リュックを背負うなど両手が空いているのが理想的ですが、片手が空いていればできる体操です。最初はグーパーの動きをし、慣れてきたら指を順番に曲げていきます。
 発声は小さい声でもいいので、舌と口を正確に動かしましょう。慣れてきたら曲げる指の順番を変えたり、指を曲げた後に広げる動きを加えたりと自分なりに変化をつけるとバリエーションは広がります。思い付くままにいろいろとトライすることで、脳の若さを保ちましょう。


ステップ1

(1)手を前後に振る際、前に出る手をパーにします。

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(2)後ろに来る手はグーにします。

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ステップ2

(3)手を前から後ろに出して一振りと数え、1から5まで声に出して数えます。前に出したときに「1」と数えて親指を曲げ、「2」で人さし指を曲げます。小指まで曲げて「5」です。

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(4)リズミカルにできるようになったら、今度は同様の掛け声で小指から順番に曲げていきます。


2018年12月27日 (木)

屋根に力士300人?

気象予報士(株式会社ハレックス)●檜山靖洋

 日本海側の山沿いでは、冬には雪下ろしを頻繁にしないといけません。寒い冬になり雪が多い年はいっそう大変です。
 新雪のサラサラ雪でも、1立方mで100kgの重さがあります。10m四方の屋根の家には10トンの重さがかかります。雪は時間とともに重さが増し、同じ1立方mの雪でも、ざらめ雪になると最大500kgにもなります。10m四方の屋根の上に50トンの重さになります。力士1人の体重が150kgとすると、普通の家の屋根の上に300人以上の力士が乗っているのと同じです。この重さが屋根や柱にかかり、家が倒壊する恐れもあります。このため、雪下ろしを小まめにする必要があります。
 雪下ろし作業は危険を伴いますので、必ず複数の人で、命綱を着け、ヘルメットをかぶるなどの安全対策をして行いましょう。

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風邪のひき始めにつぼ刺激

健康生活研究所所長●堤 喜久雄

 寒い季節は空気が乾燥して風邪をひきやすくなります。今回は、せきや喉の痛みなど呼吸器系の症状を和らげ、風邪に効果的といわれるつぼを使った体操をご紹介します。
 腕の内側にある、孔最(こうさい)と呼ばれるつぼを、反対側の親指で強めに押しながら、手をグーパー繰り返しながら動かします。ちなみに、風邪のときに孔最を押すと痛みが感じられることもあります。
 パーは指先まで伸ばします。秒針程度の速さで始め、慣れてきたら少しずつ速くしてみましょう。「イチ、ニ、イチ、ニ」と声を出しながらリズミカルに行うと良いでしょう。
 応用として、グーのときの親指を、内側と外側の交互に出し入れしながら動かすと、より刺激が入ります。風邪のひき始めに、ぜひやってみましょう。


つぼを押しながらグーパーグーパー

(1)右腕は内側を向け、左の親指で孔最を押さえます。

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(2)右手のこぶしを握りながら(グー)、右腕を軽く曲げます。

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(3)右腕を伸ばしながら手を開きます(パー)。

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(2)(3)の動きを20秒ほど繰り返します。左手も同様に行います。

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孔最は肘の内側から5~6cm分下

2018年11月27日 (火)

節約するならしっかりご飯

管理栄養士・雑穀料理家●柴田真希

 家計の消費支出の中で、住居代(家賃・地代)は変更できませんし、水道光熱費は切り詰めるにも限界があります。節約したい、貯金したいと思ったとき最初に目を向けられるのは「食費」ではないでしょうか。
 しかし、きちんと食べず体調を崩して病院代や薬代など無駄な出費が増えては意味がありません。また食事の量を減らし過ぎておなかがすいてしまい、間食に手を出してしまえば余計な出費がまた増えます。しっかりとバランスを取りつつ、きちんと節約をするならしっかりと「ご飯」を食べることをお勧めします。
 最近は糖質オフ・低炭水化物ダイエットなどでご飯を控え、おかずを多めに食べる人がいますが、おかずばかり食べると食費がかさみます。例えば、100g当たり、鶏もも肉は120円、豚ロース肉は260円くらいですが、ここから加熱して味付けするのに調味料代がかかり付け合わせなども添えます。しかし肉類100gだけでは、おなかは満たされません。それに比べて米1kgが500円の場合、炊いたご飯は1杯(150g)で34円。大盛り(200g)でもたったの45円です。米は水を入れて炊くだけなので、これ以外に費用もかかりません。
 コンビニエンスストアに行っても200円強あればおにぎりが2個購入できますが、200円強ではサラダ1個くらいしか買えません。サラダで栄養補給はできますが、おなかいっぱいにはなりません。
 もちろん、肉や魚などのタンパク質、野菜などでビタミン・ミネラルを補給することも大切ですが、大切なのはバランス。ベストな栄養バランスはご飯6:おかず4です。おかずばかり食べるのではなく、しっかりご飯を食べることで栄養バランスも整え、食費も抑えることができるのです。

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柴田真希(しばたまき) 株式会社エミッシュ代表取締役。Love Table Labo.代表。管理栄養士、雑穀料理家、フードスペシャリスト、1級惣菜管理士、健康食育シニアマスター、漢方養生指導士(漢方スタイリスト)。著書に『女子栄養大学の雑穀レシピ』(PHP出版)『おなかやせ定食』(主婦の友社)などがある。

五十肩の3段階の経過と注意点

佐久総合病院名誉院長●松島松翠

 「普段から何となく右肩がぎこちないと思っていましたが、ある晩急に痛みを感じ、その後痛みが取れません。医師に診てもらったら『五十肩』と言われましたが、どうすれば治るでしょうか」(52歳男性)。そんなお悩みを聞きました。
 五十肩は、特にきっかけがないのに肩が徐々に痛みだし、肩が動かしにくくなる病気です。40代、50代での発症が最も多いので、この名が付いています。
 肩関節は、全身の関節の中で最も大きく動く関節です。そのため、肩関節の周囲の組織には大きな負担がかかります。長年の負担が原因で、40~50代頃になって肩関節の周囲の組織に炎症が起こるのが、五十肩です。医学的には「肩関節周囲炎」と呼ばれています。
 五十肩は「急性期」「慢性期」「回復期」の3段階の経過をたどります。
 五十肩のなり始めの痛みの強い時期を急性期といいます。動かした瞬間に最も痛み、寝ているときなど安静時にも痛みます。ただし、腕や肩を動かすことはできます。期間は約1~2カ月間です。
 急性期には肩を無理に動かしたりせずに、安静を心掛けることが第一です。特別な治療をしなくても、多くはやがて治ります。しかし、痛みが特に強い場合や、電車などでつり革をつかめなかったり、衣服の着脱が困難になるなど、日常生活に支障を来している場合は、整形外科を受診しましょう。
 慢性期に入ると、痛みは減るものの肩関節を覆っている関節包が縮んで硬くなり、関節が動かしにくくなります。そこで少しずつ肩を動かしていき、無理のない範囲で関節の動く範囲を広げていきます。およそ5~6カ月間です。回復期に入ると、痛みはほとんどなくなります。しかし、肩関節の硬い状態は続きますので、回復期には積極的に肩を動かすことを続けましょう。

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手のひらたたきで転倒防止

健康生活研究所所長●堤 喜久雄

 何もない場所で転んだ経験はありませんか。実はこれ、加齢変化の第一歩。お年寄りの転倒はその後の生活に大きな影響を与えることがあり、予防がとても重要です。
 転倒しやすくなる原因の一つに、加齢による神経と筋肉の連携障害が挙げられます。今回ご紹介する手指体操は、神経系に働き掛けて、とっさの危険防止に役立てようというものです。
 どちらの手がグーかパーか、どちらの手でたたくか、何回たたくかを瞬間的に使い分ける運動能力を身に付けていきます。転びそうになった瞬間、反射的に何かをつかんだり、手のひらを開いて地面に突いたりすることで身を守ります。
 パーは指先まで伸ばします。秒針程度の速さで始め、慣れてきたら少しずつ速くしてみましょう。日ごろから瞬発力を鍛え、先手を打っておくと良いですね。


ステップ1

(1)右手はこぶしを握り、左手は開きます。右手のこぶしで左手のひらをたたきます。

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(2)次は、右手は開き、左手はこぶしを握ります。左手のこぶしで右手のひらをたたきます。(1)(2)の動きを20秒ほど繰り返します。

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ステップ2

(3)右手は開き、左手はこぶしを握ります。右手のひらで左手のこぶしをたたきます。

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(4)右手はこぶしを握り、左手は開きます。左手のひらで右手のこぶしをたたきます。(3)(4)の動きを20秒ほど繰り返します。

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慣れてきたら(1)から(4)までを1セットとして繰り返し行います。