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2020年3月

2020年3月31日 (火)

油の種類

食育インストラクター●岡村麻純

 料理をするときに欠かせない油。スーパーでもたくさんの種類が並んでいます。その多くは植物油で、不飽和脂肪酸と呼ばれる成分が多く含まれています。不飽和脂肪酸は酸化しやすいのが特徴で、酸化してしまうと栄養も低下し、体に良くない影響を与えてしまうことがあります。そのため油は、特徴に合った使い方、適した保存が必要です。
 植物油に含まれるのは、リノール酸、α-リノレン酸、オレイン酸という三つの代表的な不飽和脂肪酸です。その中で、リノール酸とα-リノレン酸は、体内で合成できない必須脂肪酸で、食事から摂取しなければなりません。リノール酸が不足すると、成長、妊娠、皮膚などの生理機能に、α-リノレン酸が不足すると、中枢神経や網膜機能に影響が出てしまうことが分かっています。
 リノール酸が多く含まれる油には、ごま油があります。ごま油は、ゴマの風味が調味料としての役割を果たしてくれますが、ゴマに含まれる成分に高い抗酸化性があるため、高温調理にも向いています。α-リノレン酸は、とても酸化に弱く不安定なものです。えごま油やあまに油に多く含まれますが、加熱には向いておらず、生食用の油として使われます。
 もう一つのオレイン酸も悪玉コレステロールを下げる働きがあります。オレイン酸はオリーブ油に多く含まれます。オリーブ油は香りが良く、生食でも使われますが、酸化しにくいので加熱料理にも向いています。また、米ぬかから作られる米油は、リノール酸とオレイン酸は多く含みますが、α-リノレン酸をほとんど含まないため安定していて、揚げ物などにも向いています。
 油は、必須脂肪酸があるように、体内に必要な食品です。しかし、光や熱、空気に触れることで酸化してしまいます。冷暗所に保存すること、使用を開始したら長期保存はしないこと、加熱する場合は加熱に適した油を使うことなど注意が必要です。

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岡村 麻純(おかむら ますみ) 1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。
公式ブログ:https://ameblo.jp/masumiokamura/

手のつぼ刺激で、肩の力を抜きましょう

健康生活研究所所長●堤 喜久雄

 春は仕事や環境に変化の訪れやすい季節。気付かないうちにストレスがたまりやすい時期でもあります。上手に乗り切るためにも、毎日続けられる手指体操がお勧めです。
 今回ご紹介する指先体操は手の甲のつぼを刺激します。手には全身の臓器につながるつぼがあり、それらを刺激することで緊張を緩めたり、全身の血行を良くしたりと心身のバランスを整える効果が期待できます。
 手の甲は体の背面、特に肩や背中の凝りに効果的といわれています。体操では、息を吐きながら刺激を入れて、息を吸いながら緩めるとさらに効果が高まります。
 毎日少しずつでよいので1カ月続けてみましょう。長く続ければ続けるほど、ストレスを上手にコントロールでき、春を快適に乗り切っていけるはずです。


左右交互に手の甲を刺激する

(1)手のひらを合わせて、上下にこすります。手のひらや指の内側が温まってくるのを感じましょう。

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(2)次に両手の指を組みます。

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(3)右手の指先にグッと力を込めて左の手の甲の骨と骨の間を刺激します。このとき、左手の指は真っすぐ伸ばします。

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(4)同様に、左手の指先に力を込めて右手の甲を刺激します。2秒に1回押すペースで、左右交互に30秒続けてください。

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