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2016年12月27日 (火)

乳がんの早期発見と治療

佐久総合病院名誉院長●松島松翠

 乳がんは、肺がんや食道がんなど他のがんに比べると進行が比較的遅い場合が多く、早期のうちに発見できれば治る可能性が高いがんです。そのため診察や検査をきちんと受けることが、まずは大切です。
 医師にかかるとまず第1に「視触診」が行われます。これは、しこりの有無、しこりがあれば、その位置、大きさ、数などを調べます。また脇の下のリンパ節が腫れていないか、乳頭からの分泌物がないかどうかを調べます。
 第2は「マンモグラフィー」という検査です。乳房のX線検査です。乳房を上下、左右から挟んで平らにし、エックス線撮影を行います。がんは白く写ります。ただし、乳腺も白く写るため、乳腺の豊富な若い女性の乳房では、がんが正常な乳腺に隠れて見えないこともあります。
 第3は、超音波を利用した「画像検査」です。乳腺は白く、がんは黒く映し出されます。若い女性では放射線の被ばくを受けないので、適した検査といえるでしょう。
 第2、第3の方法は、集団検診でもよく使われている方法ですが、さらにがんの広がりや転移などの有無を調べるために、CTやMRIなどの検査も行われます。
 治療としては、第1には「手術療法」があります。それにも部分的に切除する「乳房温存術」と、乳房を全て切除する「乳房切除術」とがあります。それぞれの病状と患者さんの希望によって異なります。
 その他、乳がんの術後の薬物療法として、ホルモン療法、分子標的療法、化学療法の三つがあります。乳がん再発予防が目的ですが、最近出た新しい薬もありますので、医師とよく相談してから、使ってください。


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