腰痛とストレッチ
佐久総合病院名誉院長●松島松翠
同じ姿勢を取り続けたり、運動不足で筋肉を動かさずにいると、「腰痛」「肩凝り」「疲労」「頭痛」などが生じます。こうした痛みを予防したり、凝りをほぐすためには、筋肉や関節を伸ばすストレッチが有効です。
ストレッチとは「伸ばす」という意味ですが、筋肉や関節に強い痛みがある場合、最近手術を受けたとか、脳出血や脳梗塞などの脳血管障害を起こしたことがある場合には、まず主治医に相談してください。
腰痛の場合、どんなストレッチ体操が良いかというと、一つは股関節や腰、背中を伸ばすストレッチで、「足裏で合掌ストレッチ」というのがあります。
これは、床に座って膝を曲げ、体の前で足の裏を合わせるようにし、両手で足先を持ちます。背筋を伸ばしたまま、右膝の方にゆっくりと前屈し、10秒間静止してから元に戻ります。同様に左側でも行います。膝や関節が痛い場合には無理に行いません。
もう一つ、腸腰筋や太ももの裏側の筋肉を伸ばす「膝抱えストレッチ」というのがあります。
あおむけになり、左の膝頭を両手でゆっくりと胸に引き寄せます。10秒間静止してから、ゆっくりと元に戻します。右脚でも同様に行います。
腰痛のある人には、腰の骨と太ももの骨をつなぐ「腸腰筋」が常に緊張状態にあり、背骨の腰の部分が反り過ぎている人がいます。ストレッチで腸腰筋をほぐすと、背骨の反りがやわらぎ、腰痛の改善に効果があります。
分からない点は、整形外科を受診し、専門医から指導を受けてください。