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2017年6月 1日 (木)

ご飯のお供にお薦めの梅干し

管理栄養士・雑穀料理家●柴田真希

 白いご飯だと物足りないと、つくだ煮やふりかけを愛用している人も多いと思いますが、この時期に漬け始める梅干しはご飯のお供にお薦めです。「一日一粒の梅干しで医者いらず」といわれるくらい、たくさんの健康効果が期待できますが、今回はそのうちのいくつかを紹介します。
 まず「疲労回復」。梅干しにはクエン酸やリンゴ酸などさまざまな有機酸が含まれています。疲労によってたまる乳酸を分解する働きをするのがクエン酸。クエン酸がないとうまくエネルギー代謝ができず疲労がたまりやすくなるのです。梅干し1個をつぶしてしょうゆを少し入れ、熱い番茶を注ぐ「梅醤(うめしょう)番茶」も、肩や首筋の凝り、筋肉痛の改善などにも役立ちます。また梅干し以外にもお酢を利かせた料理やレモンなどのかんきつ類も良いでしょう。
 そしてこれから食中毒が気になる季節にうれしい「殺菌・抗菌作用」も期待できます。これは、梅干しに含まれる塩分や有機酸の効果です。梅干しを見ると自然と唾液が出てきますよね。口からは多くの菌が体内に入ろうとしますが、唾液に含まれる抗菌物質であるリゾチームやラクトフェリンが、体内に細菌が入らないように防いでくれるのです。唾液には消化酵素が含まれるので、先に述べた疲労回復や代謝促進にも役立ちます。
 おにぎりの具材にするなどご飯と一緒に食べるだけでなく、あえ物にしたり、ドレッシングとして使ったりさまざまな使い方ができる梅干し。最近では塩分が高いと控えめにする方もいらっしゃいますが、ミネラルも豊富な天然の梅干しは熱中症予防にも効果が期待できます。1日1粒の梅干しでこの夏を健康に乗り切ってみませんか。

柴田真希(しばたまき) 株式会社エミッシュ代表取締役。Love Table Labo.代表。管理栄養士、雑穀料理家、フードスペシャリスト、1級惣菜管理士、健康食育シニアマスター、漢方養生指導士(漢方スタイリスト)。著書に『女子栄養大学の雑穀レシピ』(PHP出版)『おなかやせ定食』(主婦の友社)などがある。

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