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2017年7月 3日 (月)

夏バテのビタミン不足に胚芽米

管理栄養士・雑穀料理家●柴田真希

 暑い日々が続くと「そうめんやそばなど冷たい麺類に麺つゆだけ」というような食事になりがちです。短時間で作れて、食欲がないときでも食べられる麺類にはついつい手が伸びてしまいますが、このような食事を続けていると、タンパク質やビタミン・ミネラルが不足しがちになり、疲れやすくなったり夏バテの原因になったりします。
 そんなときにもご飯がお薦めですが「暑くて台所にあまり立ちたくない」「もっと効率良く栄養を取りたい」。そんな人にお薦めなのが「胚芽米」です。白米より健康に良いことはなんとなくご存じの方もいらっしゃると思いますが、玄米や白米との違いは何なのでしょうか。
 まず、玄米とはもみ米からもみ殻を除いた精白していないお米のことです。白米に比べて夏バテ時に補給したいビタミンB1は5・1倍、抗酸化作用のあるビタミンEは12・0倍も含まれています。
 それに比べて胚芽米(胚芽精米)は、ぬか層のうち胚芽だけを選択的に残して、他を除いた物で胚芽保有率80%以上の物をいいます。白米に比べてビタミンB1は2・9倍、ビタミンEは9・0倍と玄米には劣りますが、大切なのは消化と吸収です。
 食物繊維も豊富な玄米は、不足しがちな栄養が取れるというメリットはありますが、しっかり消化できるように炊くのに時間がかかったり、お子さんや高齢者、胃腸の弱い方や夏で弱っているときには適さないこともあります。
 調理方法や食感が白米に近い胚芽米は、夏でも無理なく栄養が補給できるのです。
 夏は汗などでビタミン・ミネラルが不足しがちになります。しっかりと栄養のあるお米で補給していきましょう。

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■白米と比べた栄養価
玄米 胚芽米
ビタミンB1 5.1倍 2.9倍
ビタミンB2 2.0倍 1.5倍
ビタミンE 12.0倍 9.0倍
マグネシウム 4.8倍 2.2倍
食物繊維 6.0倍 2.6倍
『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』より計算


柴田真希(しばたまき) 株式会社エミッシュ代表取締役。Love Table Labo.代表。管理栄養士、雑穀料理家、フードスペシャリスト、1級惣菜管理士、健康食育シニアマスター、漢方養生指導士(漢方スタイリスト)。著書に『女子栄養大学の雑穀レシピ』(PHP出版)『おなかやせ定食』(主婦の友社)などがある。