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2017年8月 1日 (火)

おいしくないニンジン雲

気象予報士(株式会社ハレックス)●檜山靖洋

 関東地方など、秋にニンジンを収穫する所は、8月ごろに種まきをするということです。種まき直後の小さい苗の間に、大雨が降り、畑が水浸しになってしまうと、苗が駄目になり、ニンジンの収穫量が減ってしまうことがあります。
 この時期は、台風シーズンでもあり、8月後半になると秋雨前線が停滞することも少なくありません。台風周辺の湿った空気が前線に向かって流れ込むと大雨になりやすいパターンです。
 非常に湿った空気が流れ込み、大気の状態が非常に不安定なとき、気象衛星からの雲の様子を見ると、やや細長い三角形をした雲が見られることがあります。その形がニンジンに似ていることから、ニンジン状の雲と呼ばれます。この雲の下では、非常に激しい雨が降り、大雨災害の危険があります。気象衛星の雲画像で「ニンジン」を見つけたら、大雨に警戒が必要です。

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