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2017年8月 1日 (火)

食事はスムージーよりもご飯

管理栄養士・雑穀料理家●柴田真希

 健康や美容の観点から近年人気のスムージー。野菜や果物をミキサーにかけたスムージーは、市販の野菜ジュースなどと異なりビタミンやミネラル、食物繊維も取ることができます。食欲のない夏の朝食などにもぴったりのように感じますが、毎日の習慣とするのであれば、やはりご飯食をお薦めします。
 本来、食事は口や胃腸などで消化・吸収するものです。果物や野菜も、そのままいただくと、咀嚼(そしゃく)することで口や脳を使いますが、スムージーだとただ飲み込むだけ。咀嚼することで動かす顎周りの筋トレもすることができません。かむという行為は満腹感が感じやすくなる他、唾液と混ざることで、消化を促したり、免疫力を付けてくれるなどの効果が期待できます。
 口の中は直接感じることができますが、胃や腸においても分解する工程が粒食であるお米を消化するときと異なります。スムージーを飲んでもそのときは水分でおなかが膨れておなかがいっぱいになったように感じます。腹持ちが悪いのはこのせいです。
 暑い日には体を冷やしてくれて良いかもしれませんが、冷えは万病のもと。ご飯をしっかり食べれば冷えの改善にも役立ちます。
 スムージーがいけない飲み物なのではなく、使うシーンや用途をきちんと使い分けましょう。毎日の「食事」はあくまで粒食のご飯です。ここにおかずや汁物を付けるとバランスが良くなります。スムージーは食事では取り切れなかったビタミン・ミネラル補給に。間食や食事の前後に少しいただいたり、どうしても食欲がなくてしっかり食事が取れないときの栄養補給として取るようにしましょう。

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柴田真希(しばたまき) 株式会社エミッシュ代表取締役。Love Table Labo.代表。管理栄養士、雑穀料理家、フードスペシャリスト、1級惣菜管理士、健康食育シニアマスター、漢方養生指導士(漢方スタイリスト)。著書に『女子栄養大学の雑穀レシピ』(PHP出版)『おなかやせ定食』(主婦の友社)などがある。