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2017年11月 1日 (水)

便秘解消にヨーグルトよりご飯食

管理栄養士・雑穀料理家●柴田真希

 寒くなってくると、冷えが原因の便秘が増えるといわれています。便秘予防にヨーグルトを食べるという方法もありますが、朝から冷えた体に冷たいヨーグルトを食べると余計に体を冷やして改善につながらないこともあります。ヨーグルトには乳酸菌が含まれていてこれが腸内環境を整えてくれるのですが、乳酸菌はヨーグルトだけに含まれているものではありません。
 例えば、調味料のみそ。みそ汁の他、さまざまな料理に利用されますが、みそは大豆を米や麦などのこうじを使い、発酵させて造るので、乳酸菌が含まれています。ダイコンやキュウリなどをぬか床に入れて発酵させて作るぬか漬けなどのお漬物にも含まれています。
 ヨーグルトのような動物性乳酸菌に比べ、みそや納豆、ぬか漬けのような植物性乳酸菌は酸に強く生きたまま腸に届くのが特徴です。腸内での生存率も植物性乳酸菌は動物性乳酸菌の10倍ともいわれています。効果としては、便秘の改善だけでなく、免疫活性作用、発がん性物質の排出・分解、病原菌感染の予防などが挙げられます。
 そしてこの効果を上げてくれるのが、ご飯や野菜などに含まれるオリゴ糖。乳酸菌の餌となり、腸内フローラ構成を健康的なバランスに改善し維持する効果が期待できます。
 納豆も納豆菌で作られる発酵食品で便秘などの改善に役立ちます。まさに朝食でご飯、野菜たっぷりのみそ汁、納豆、ぬか漬けといったシンプルな和食はおなかの調子を整えてくれるのです。
 そして、パンに牛乳、ヨーグルト、サラダのような洋食よりも和食の朝ご飯の方が食べた後、体が温まりそうですよね。朝は和食にすることで便秘と冷えを改善し、この冬を乗り切りましょう。

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柴田真希(しばたまき) 株式会社エミッシュ代表取締役。Love Table Labo.代表。管理栄養士、雑穀料理家、フードスペシャリスト、1級惣菜管理士、健康食育シニアマスター、漢方養生指導士(漢方スタイリスト)。著書に『女子栄養大学の雑穀レシピ』(PHP出版)『おなかやせ定食』(主婦の友社)などがある。