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2018年1月31日 (水)

ご飯と相性が良い、みそ汁

管理栄養士・雑穀料理家●柴田真希

 ご飯と一緒に食べることの多い食材といえば「みそ汁」です。何げなく食べているこの組み合わせですが、実は相性抜群なのです。
 ご飯は炭水化物源と思われがちですが、タンパク質もしっかり含まれています。今回はお米のタンパク質の「量」と「質」を考えながら、なぜみそ汁と相性が良いのかを考えたいと思います。
 精白米1合当たりに含まれるタンパク質は約9g。成人女性の1日の平均推奨量は50gですので、1合で18%もカバーできることになります。また、ハトムギや、キビなどの雑穀には精白米に比べて約2倍のタンパク質が含まれています。白米ではなくそこに雑穀を加えることで、タンパク質の量をさらにカバーできます。
 次にお米の質について。ことタンパク質に関しては、これを評価するものとして「アミノ酸スコア」があります。アミノ酸スコアとは、体内で生成することのできない必須アミノ酸9種類がどれくらい満たされているかを表したものです。100に近い数値であるほど理想的で、肉類や魚類、卵などはアミノ酸スコア100ですが、残念ながら精白米は65で、リジンというアミノ酸が不足しています。このリジンを多く含むのが豆製品なのです。豆製品の代表といえば豆腐や納豆がありますが、みそも豆製品の一つ。ご飯と、みそ汁の相性が良い理由はもうお分かりだと思います。みそ汁の具に豆腐や油揚げが多く使われるのも納得できます。
 みそ汁は塩分が多いので控えているという人もいらっしゃいますが、旬の野菜をたくさん入れれば塩分を排出する効果が期待できるカリウムも取れ、野菜をたくさん入れることで汁の量も少なくできるので一石二鳥です。寒い冬の朝ご飯には温かいご飯と具だくさんのみそ汁で体の中から温まりましょう。

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柴田真希(しばたまき) 株式会社エミッシュ代表取締役。Love Table Labo.代表。管理栄養士、雑穀料理家、フードスペシャリスト、1級惣菜管理士、健康食育シニアマスター、漢方養生指導士(漢方スタイリスト)。著書に『女子栄養大学の雑穀レシピ』(PHP出版)『おなかやせ定食』(主婦の友社)などがある。