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2018年2月28日 (水)

野菜の栄養、おいしく無駄なくいただきます!

健康のため、意識して野菜を取ることを心掛けている人は多いはず。実は、その調理法を変えるだけでもっと効果的に栄養を取ることができるんです。今注目の書籍『その調理、9割の栄養捨ててます!』を監修したお2人に教えていただきました。

驚きの新事実!
知らないと損する栄養の取り方

野菜の栄養成分は減っている!?

 現代人は野菜不足だといわれています。時間に追われるライフスタイルや食生活の乱れなど、私たちを取り巻く環境が大きな要因ともいわれています。だからこそ野菜を頑張って取ろうと心掛けている人もいるでしょう。しかしながら、野菜の栄養成分は昔に比べて激減しているのです。例えば、50年前と現在で、一般に売られている野菜の栄養成分を比べた場合、ニンジンのビタミンAやホウレンソウの鉄分は80%以上も減少、キャベツのビタミンCは半分近く減っています。特に減少が顕著なのは、ビタミンやミネラルですが、それだけでなく精製技術が発達したことで主食である米などの他、穀類の栄養も減っています。

野菜を無駄なくいただく

 ならばなおのことしっかり野菜を取ろうと思われるのではないでしょうか。しかし、ただたくさん食べれば良いというものではありません。同じ野菜でも、調理方法によって体に届く栄養素の量に違いがあるからです。
 調理法とは、切り方、加熱の有無、保存方法、食べ方、食材の組み合わせなどですが、今までの調理法では、実は栄養分の9割以上も失っていた(ロスしていた)、などということも考えられます。野菜の栄養分を逃がさない調理法を知り、しっかりと栄養が取れる食べ方を心掛けるようにしましょう。

効率良く栄養を取る

 野菜の皮や葉、根、種子など、いつも捨てていた部分に栄養がたっぷり詰まっていることが多いのです。例えばジャガイモやゴボウ、ダイコン、ニンジンなどの根菜類は、皮のすぐ下に栄養がたっぷり。カボチャやピーマンのいわゆるワタの部分には、普段食べている部分にはない栄養成分が含まれています。農家の方々が丹精込めて栽培している野菜を、感謝の気持ちと共に無駄なく調理したいものです。

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東京慈恵会医科大学附属病院栄養部の管理栄養士、濱裕宣さん(左)と赤石定典さんにお話を聞きました。学祖である高木兼寛氏の教えに基づき、患者に麦ご飯を提供しています。また、野菜の栄養をしっかり取れる月に1度の慈恵オリジナルカレーも好評です。

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今日からすぐに生かせる知識が満載! 『その調理、9割の栄養捨ててます!』 監修:東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部 発行:世界文化社 定価:1,400円+税

病院食レシピの先駆けである東京慈恵会医科大学の監修により、最新の知見に基づき食材の栄養素を最大限生かす調理法をまとめた一冊。切り方、加熱の有無、保存方法、食べ方、食材の組み合わせなどを食材ごとに分かりやすく紹介しています。