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2018年7月31日 (火)

甘酒

管理栄養士・雑穀料理家●柴田真希

 冬に飲むイメージのある甘酒ですが、実は季語は「夏」。飲む点滴とも呼ばれ、食欲のない夏の栄養補給にもぴったりです。昨今のブームで甘酒はスーパーやコンビニでも手に入るようになりました。
 甘酒は造り方によって「米麹(こうじ)甘酒」と「酒粕(かす)甘酒」の2種類に分けることができるのをご存じでしょうか。
 「米麹甘酒」は、炊いたお米(おかゆ)に米麹を入れて50~60度くらいの温度で7~8時間保温しておくと出来上がります。それに比べて「酒粕甘酒」は酒粕をお湯で溶き、お好みで砂糖を加えて一煮立ちしたら完成です。「酒粕甘酒」の方が簡単に造ることができますが、酒粕は日本酒を造ったときに作られる粕のためアルコールを含んでいます。妊婦さんやお子さん、車を運転する人は注意してください。
 気になる栄養価ですが、「米麹甘酒」はお米と米麹で造られ、発酵され消化が良くなっているので、夏バテ予防の栄養補給にぴったりです。エネルギー源となるブドウ糖の他、酵素やビタミンB群、食物繊維、オリゴ糖などを豊富に含みます。腸の調子を整える効果も期待できそうです。
 「酒粕甘酒」は酒粕の栄養である食物繊維や豊富なアミノ酸の他、発酵パワーである酵母と麹菌を摂取できます。これらにより血圧やコレステロールを下げる効果が期待できる他、血流を良くして体を温めたり、肌の調子が良くなったりと女性にうれしい効果も感じられそうです。
 どちらを飲むかは、期待したい効果や味(風味)、造りやすさ(手に入りやすさ)で選んでみましょう。冷たいまま飲むのも良いですが、夏であってもクーラーなどで体が冷えているときは温めて飲むのも良いでしょう。牛乳や豆乳で割ったり、すりおろしたショウガやシナモンを入れるなどのアレンジを加えても良いですね。この夏は甘酒をうまく取り入れて夏バテを防止しましょう。

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柴田真希(しばたまき) 株式会社エミッシュ代表取締役。Love Table Labo.代表。管理栄養士、雑穀料理家、フードスペシャリスト、1級惣菜管理士、健康食育シニアマスター、漢方養生指導士(漢方スタイリスト)。著書に『女子栄養大学の雑穀レシピ』(PHP出版)『おなかやせ定食』(主婦の友社)などがある。