蟋蟀戸に在り
気象予報士(株式会社ハレックス)●檜山靖洋
一年間を24に分けて季節を表す二十四節気に加えて、その二十四節気をさらに三つに分けて季節を表す七十二候というのがあります。10月8日は二十四節気の寒露(かんろ)です。寒露の中の3番目の七十二候は「蟋蟀(キリギリス)戸に在り」で、10月19日です。昔はコオロギのことをキリギリスと呼んだそうで、コオロギなど秋の虫たちが戸口で鳴き始める頃という意味です。
10月は、昼間はまだまだ暑い日もありますが、朝晩はだいぶ涼しくなります。秋の虫たちの声を聞くと、いっそう季節の歩みが感じられるようになります。次の二十四節気は霜降で、霜が降りる時期も近づき寒い冬へ向かう入り口ともいえます。
「キリギリスとにあり」と聞いたら、「アリとキリギリス」を思い出して、アリに見習って冬への備えでも始めましょう。