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2019年8月

2019年8月29日 (木)

煮物 (キッチン防災術)

食文化・料理研究家●坂本佳奈

 暑い時期に煮物というと、いつも驚かれるのですが、食べるときには冷やすか常温なので、熱くはありません。
 祖母はナスをたくさん収穫したら、煮物を作っていました。存命なら100歳を超える祖母が若かった頃は冷蔵庫などありませんでした。それでも夏はナスの煮物を食べていたそうです。
 ふたのできる鍋に、ナスをぎゅうぎゅうに入れて、昆布と、いりこを入れ、ナスの上がかぶるぐらいひたひたに水を入れて煮ます。鍋の大きさによって入れる水の量は変わります。直径20cmくらいの鍋で1・5Lぐらいでしょうか。そこに色が付くぐらいのしょうゆを入れ、ごくごく薄味になるように塩も入れます。煮詰まったら塩分が濃くなり、味も濃くなっていきます。そして一度グツグツと煮立ったら、弱火にして、ナスが軟らかくなるまで1時間ほど煮ます。
 作ったその日に食べられますが、次の日の方が味が染みておいしいです。ふたをして置いておき、次の朝また火を入れて10分ほど煮立てたら冷まして、その日の夜に冷やして食べます。1人でナスが二つ三つぺろりと食べられてしまう、夏から秋にかけての味覚です。朝に夕に、少し蒸し暑く心配なときは昼も、何度も煮返して火を入れることで、冷蔵庫がなくても食べられたそうです。油がないので冷蔵庫に入れてキリッと冷やしてもまた美味です。
 給食などは衛生上、基本的に即日調理、即日食べ切りですが、家庭では火を入れて持たせる昔ながらの食べ方はいかがでしょうか。ただし、とろみのある物、例えばカレーなどは冷えるのに時間がかかり、夏場は次の日に食べるのは食中毒の危険があります。煮物は透明だった汁が濁っていたり、酸味が出たら腐っているので食べてはいけません。煮汁がさらっとしている物なら煮返すことで長持ちします。昔の暮らしを思い出して、体験してみるのも「防災」の体験になります。

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季節の変わり目も健やかに

健康生活研究所所長●堤 喜久雄

 手首の曲がる部分には、内側と外側にそれぞれ3カ所ずつの重要なつぼがあります。内側のつぼは呼吸器系、外側のつぼは内臓や消化器系と関係が深いといわれています。これら六つのつぼに同時に刺激を与える体操で、季節の変わり目の不調に備えましょう。
 正確につぼの位置を探す必要はありません。反対側の指で手首の曲がる部分を押さえるだけでOKです。つぼを押さえた状態で手首を返せば、さらにつぼに刺激が入ります。このとき、押さえる指に力を入れ過ぎないことがポイント。手首が動かせる程度に力の加減を調整しましょう。
 まだ暑さが残る時期。夏の疲れが出やすく、不調が起こりやすい時期でもあります。不調や痛みが起こる前に手首体操をマスターして、日々続けるとより効果的です。


手首のつぼを押す

ステップ1

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(1)右手首の内側は左手の親指で、外側は人さし指で押さえます。手首の力を抜いてリラックスさせます。そのまま15秒間、右手首を上下に優しく振り、手首のつぼを刺激します。同様に左の手でも行います。


ステップ2

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(2)右手首全体を左の手指で押さえた状態で、右のこぶしを握ります。鼻からゆっくり息を吸います。

(3)ゆっくり息を吐きながら指先と腕を伸ばします。そして息を吸いながら指を握り、(2)に戻り、5回往復します。同様に左手首でも行います