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2019年7月

2019年7月30日 (火)

予防したい熱中症

健康科学アドバイザー●福田千晶

 暑い夏に予防したい熱中症。特に屋外での作業中には気を付けたいですが、家の中でも熱中症になる人が多いので要注意です。
 人の体は、暑さなどで体温が上がりそうになると汗をかきます。汗は皮膚の上に水分が出て、その水分が蒸発するときに、体の熱を奪って適度に冷やしてくれます。ところが、体内の水分が不足して、汗が十分に出なかったり、疲れやストレスで発汗や体温の調節機能が低下して汗がうまくかけなかったりと、こうした要因で体温が上がってしまうと、熱中症になります。
 暑い環境で過ごすときは、十分な水分と塩分などのミネラルを取っておくことが大切です。汗で徐々に水分が失われるので、水分は小まめに取っておくことが望ましいです。適度な塩分や水分の吸収を速やかにする糖分を含む経口補水液も用意しておきたいものです。屋外での作業や運動には、スポーツドリンクを持参するのもお勧めです。
 朝ご飯を食べることも熱中症予防に大事です。食事では、エネルギー、塩分などのミネラル、食事に含まれる水分などを取っています。朝食を抜いてしまうと十分な水分やミネラル、エネルギーが補給しにくく、暑い環境での作業は無理があります。
 アルコールは液体ですが、水分補給にはなりません。アルコール飲料やカフェイン飲料には利尿作用があり、飲むことでトイレの回数が増えます。ですから、アルコールの飲み過ぎなど状況によっては脱水を進行させてしまいます。
 屋外の作業中も休憩時間中は日陰で風通しの良い涼しい場所で休みましょう。室内でも暑い日はクーラーで室温を下げるように心掛けましょう。室温の好みは個人差がありますが、熱帯夜になる地域では夜間もクーラーを使用して室内温度は28度以下の設定が良いでしょう。睡眠もしっかり取って、疲れをためないことも熱中症予防には有効です。

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指先のつぼ刺激で夏冷えを防ぐ

健康生活研究所所長●堤 喜久雄

 指には全身の健康に密接に関係するつぼが集中しています。爪の付け根にあるつぼを総称して「井穴(せいけつ)」といい、東洋医学では自律神経のバランスを整えるポイントと考えられています。
 熱中症対策などの観点から、暑い時期は小まめな水分補給はとても大事です。しかし、冷えた飲み物ばかり飲んだり、冷房の効いた室内で長時間過ごしたりすることは、体を冷やし不調を引き起こす原因にもなります。つぼの刺激で自律神経の働きを整えて、巡りを良くして水分の偏りを改善させましょう。
 この体操は電車の中や外出先でも簡単にできます。ぜひ習慣にして、元気に夏を乗り切りましょう。

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井穴(せいけつ)


指先のつぼをもみほぐす

ステップ1

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(1)右の親指と人さし指で、左の指の爪の生え際付近を押さえて10秒ほどもみほぐします。5本の指、どの指から行っても問題ありません(以下同様)。

(2)右の親指で、左の指の爪を上から押さえるように10秒ほどもみほぐします。

ステップ2

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(3)右の指を曲げて人さし指と中指で、左の指先の第1関節あたりをしっかり挟みます。

(4)しっかり挟んだまま、左右にキュッと引っ張って指を離します。(1)から(4)の動きを反対の指5本に同様に行います。