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2016年2月24日 (水)

健康と美容にお肉を食べよう~お肉を食べて健康に!

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日本獣医生命科学大学応用生命科学部教授●西村敏英

 体の健康維持と美容の面から、毎日の食事で筋肉量やコラーゲンを保つ良質なタンパク質をたくさん含んでいるお肉を食べることが大切です。中高年、高齢者の場合、加齢とともに筋肉が落ち、皮膚や毛髪、血液などの新陳代謝や血圧などを調整する機能も低下してくるので、それらの低下を予防し、健康を維持するためには、なおさら必要です。
 食べ物に含まれるタンパク質が良質かどうかは、体内では作れない9種類の必須アミノ酸のバランス(アミノ酸スコア)から評価されます。アミノ酸スコアが100に近いと、そのタンパク質は消化吸収された後、体内タンパク質に取り込まれ、効率的に利用されます。豚肉をはじめとする食肉のタンパク質のアミノ酸スコアは、100であり、良質なタンパク質といえます。一方、ほとんどの植物性食品のタンパク質のアミノ酸スコアは100より小さく、必須アミノ酸のバランスにばらつきがあります。このような理由から、植物性食品だけの食事では、健康維持に良くないので、お肉も一緒に食べることが大事なのです。
 特に女性は筋肉量が減りがちで、筋肉量が減ると代謝が落ちて太りやすくなりますから、タンパク質を小まめに取ることが必要です。また、お肉のタンパク質には、肌の張りを保つコラーゲンも含まれています。代謝が落ちると、肌のターンオーバーも滞るので、タンパク質不足は、美容の大敵でもあります。
 お肉は、良質のタンパク質、ミネラルを供給する大切な食品ですが、最近、脳の健康維持、脂肪燃焼促進作用、鉄欠乏性貧血予防、LDLコレステロール低下作用、抗酸化作用、血圧降下作用など、病気を予防する効果があることも分かってきました。
 さらに、おいしいお肉を食べたときの満足感も健康維持にはとても大切です。食べ過ぎに注意し、バランスの良い食生活を心掛けましょう。

西村敏英(にしむら としひで) 農学博士。著書に『最新畜産物利用学』『食品の保健機能と生理学』などがある。 2003年日本家禽学会技術賞受賞、2004年日本農芸化学会英文誌優秀論文賞受賞。