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2018年1月

2018年1月31日 (水)

手前みそですが

よこはま里山研究所NORA●吉武美保子・石田周一

 青く澄んだ冬の空の下、お庭にぷ~ん、とお豆を炊くいい香り。今日はママ友たちと一緒に、里山の農家にみその仕込みを教わりに来ました。かまどにまきがくべられ、羽釜から湯気が立ち上っています。ふたを開けると、ツヤツヤの大豆がぷっくりしていました。
 「新豆は煮上がるのも早いのよ。先に炊き始めていたのだけど、台所で蒸し豆もやってみる?」
 圧力鍋に蒸し器を入れて豆を仕込んでいる間に、米こうじと天然塩を混ぜて塩切りこうじにします。ふわっとして、きゅっとして、不思議な感触。「これってカビなんだよね?」と思うと、ちょっと躊躇(ちゅうちょ)もありますが、菌の力には感服するばかりです。
 蒸し上がった豆は少し濃い色合い。塩を振って食べてみると……、うまい! おいし過ぎる! おかずにするか、つまみにするかと、ママたちは大盛り上がりです。いやいや、みそづくりに来たのですから、炊き上がった豆をつぶしに掛からなければなりません。マッシャーを使ったり、厚手のビニール袋に入れて踏みつぶしたり、フードプロセッサーを使わなくても意外とできるものなのですね。それから塩切りこうじと合わせてよく混ぜて、いよいよたる詰め作業です。「空気を抜くようにして丸めて、えいやっとたるに投入してごらん。気持ちいいわよ」。
 農家の先生にデモンストレーションを見せてもらい、それぞれ1投するごとに大騒ぎ! しっかり詰めて密封し、塩の袋をそのまま重し代わりに置きました。
 今まで、みそはスーパーで買うものでした。里山でいつも見ている景色の中にある作物と海の塩が一緒になり、菌の力を借りて1年という時間をかけることで特別な1杯のみそ汁になるんだな、とあらためて感じました。

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よこはま里山研究所NORA…http://nora-yokohama.org/

ご飯と相性が良い、みそ汁

管理栄養士・雑穀料理家●柴田真希

 ご飯と一緒に食べることの多い食材といえば「みそ汁」です。何げなく食べているこの組み合わせですが、実は相性抜群なのです。
 ご飯は炭水化物源と思われがちですが、タンパク質もしっかり含まれています。今回はお米のタンパク質の「量」と「質」を考えながら、なぜみそ汁と相性が良いのかを考えたいと思います。
 精白米1合当たりに含まれるタンパク質は約9g。成人女性の1日の平均推奨量は50gですので、1合で18%もカバーできることになります。また、ハトムギや、キビなどの雑穀には精白米に比べて約2倍のタンパク質が含まれています。白米ではなくそこに雑穀を加えることで、タンパク質の量をさらにカバーできます。
 次にお米の質について。ことタンパク質に関しては、これを評価するものとして「アミノ酸スコア」があります。アミノ酸スコアとは、体内で生成することのできない必須アミノ酸9種類がどれくらい満たされているかを表したものです。100に近い数値であるほど理想的で、肉類や魚類、卵などはアミノ酸スコア100ですが、残念ながら精白米は65で、リジンというアミノ酸が不足しています。このリジンを多く含むのが豆製品なのです。豆製品の代表といえば豆腐や納豆がありますが、みそも豆製品の一つ。ご飯と、みそ汁の相性が良い理由はもうお分かりだと思います。みそ汁の具に豆腐や油揚げが多く使われるのも納得できます。
 みそ汁は塩分が多いので控えているという人もいらっしゃいますが、旬の野菜をたくさん入れれば塩分を排出する効果が期待できるカリウムも取れ、野菜をたくさん入れることで汁の量も少なくできるので一石二鳥です。寒い冬の朝ご飯には温かいご飯と具だくさんのみそ汁で体の中から温まりましょう。

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柴田真希(しばたまき) 株式会社エミッシュ代表取締役。Love Table Labo.代表。管理栄養士、雑穀料理家、フードスペシャリスト、1級惣菜管理士、健康食育シニアマスター、漢方養生指導士(漢方スタイリスト)。著書に『女子栄養大学の雑穀レシピ』(PHP出版)『おなかやせ定食』(主婦の友社)などがある。