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2020年2月26日 (水)

耳掃除のやり過ぎは駄目

健康科学アドバイザー●福田千晶

 3月3日は耳の日です。
 耳掃除は気持ち良いと感じます。理由は、耳の穴には迷走神経と呼ばれる神経があり、触れると快感を生じるからです。そのため気持ち良く頻繁に行いたくなるのですが、実は耳掃除のし過ぎは危険なのです。
 耳あかの源は、耳穴の古くなった皮膚の細胞と、耳垢腺から出る分泌物が混じり合った物で、本来は外穴にとどまり、屋外での農作業などでも虫やごみが耳に入り傷付かないように、自然に外耳道を保護してくれるのです。そして、耳あかは自然に少しずつ耳から出て行きます。
 ところが耳掃除をすると、耳あかを耳の奥に押し込むことがあります。また、耳の皮膚は薄いので、耳掃除の折に傷を付けることもあります。耳の傷が原因で血液や浸出液が出てそれが固まると、かゆみを起こします。かゆくなるとさらに、耳掃除をしたくなり、傷を付けるという悪循環になります。しかも、耳の傷が炎症を起こすと外耳炎になり、痛みや耳の周囲の腫れを伴い、耳鼻科での治療が必要になります。
 耳を掃除するのは、清潔になるイメージもありますが、実は耳掃除のし過ぎは、耳の自然な清浄作用がなくなり余計に不潔になります。しかも、外耳炎や耳のかゆみ、不快感の原因にもなるので耳掃除のし過ぎはやめましょう。木製や金属製の耳かきを使用したり、耳の奥深くまで掃除するのは傷を付けやすいので気を付けましょう。耳掃除は、清潔な綿棒を使い、月に1~2回で十分です。入浴や水泳の後に耳の中に水が入ったときは、タオルや綿棒で入り口付近だけ水を拭き取ります。
 耳あかが多量になったり、耳が不快な場合は、耳鼻科を受診して相談してください。同様に、高齢者や耳掃除を極端に嫌がる人、耳あかがベトベトしていて自分で耳掃除がしにくい場合も、耳鼻科を受診しましょう。気持ち良いと感じる人も多い耳かきですが、頻度も強さもやり過ぎは危険なので気を付けましょう。

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