台風への備え
気象予報士(株式会社ハレックス)●檜山靖洋
9月は過去に大きな被害を出した台風の襲来が多い月です。戦後間もない1945年の枕崎台風、1947年のカスリーン台風、1954年の洞爺丸台風、1958年の狩野川台風、1959年の伊勢湾台風、1961年の第二室戸台風。これらの歴史に残る台風は、いずれも9月に襲来しました。
近年は地球温暖化の影響により、海水温が高い傾向が見られます。海水温が高いことは、台風が発達する条件の一つになります。さらに、温暖化により、夏から秋へ移り変わる時期が遅れ、台風を動かす上空の偏西風が弱まる傾向もあるといわれています。そうなると、日本付近で台風の進む速度が遅くなります。発達した動きの遅い台風が近づくと、風雨が強い時間が長引き、大きな被害につながる恐れがあります。台風への備えを今まで以上にしっかりとしておくことが大切です。