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2022年2月

2022年2月28日 (月)

野菜もの知り百科 ゴボウ(キク科ゴボウ属)

土壌医●藤巻久志

 ゴボウの原産地はユーラシア大陸北部で、日本には中国から薬草として渡来しました。日本で野菜になった初めての海外原産植物です。平安時代にはすでに宮廷料理の食材として利用されました。
 ゴボウを日常的に食べているのは日本だけです。第2次世界大戦中に捕虜収容所で係員が連合軍人にゴボウを食べさせたところ、戦後の戦犯裁判で「木の根を食べさせた」との理由で捕虜虐待罪となり死刑執行されました。食文化の違いによる悲しい出来事です。
 耕土が深い関東では長根種、浅い関西では短根種や葉ゴボウが普及しました。現在の主流品種は長根の滝野川系で、江戸時代に改良され全国に広がりました。滝野川は東京都北区の地名で、中仙道のその辺りは種屋が多く並び、種屋街道と呼ばれました。種屋は人と情報が集まる所で発展します。都があった奈良や京都には老舗の種苗会社があります。
 長根種の主産地は関東ローム層の埼玉や茨城などでしたが、深い溝を掘るトレンチャーやトラクターに装着できるハーベスターが開発され、北海道や青森などにも大きな産地ができました。
 ゴボウは夏にアザミに似た紫色の花を咲かせます。実にとげがあり、動物の毛や人の服にくっついて種を遠くまで広めます。人が実に触れると皮膚がかゆくなることがあります。西欧では根より花の方が知られていて、花言葉は「私に触らないで」や「しつこくせがむ」です。
 食物繊維が水溶性も不溶性も豊富で、含有量は野菜ではトップクラスです。便秘やコレステロール値などを改善し、発がん物質を排出します。皮にうま味と香りがあるので、汚れは包丁の背でこそげるだけにします。切った端から水にさらしますが、酢を数滴落としておくとあくによる変色が防げます。

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藤巻久志(ふじまきひさし) 種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土作りに関して幅広くアドバイスを行う。


手首ブラブラ体操で肩スッキリ

健康生活研究所所長●堤 喜久雄

 パソコンやスマートフォンの使い過ぎで、気付かないうちに手首の動きが悪くなっていることがあります。原因は手首のゆがみかもしれません。手首と肩は筋膜でつながっているため、手首の動きが悪くなると腕や肩の筋肉の血行が悪くなり、つらい肩凝りを引き起こすことも。
 手首ブラブラ体操でゆがみを解消し、肩もスッキリさせましょう。
 まだまだ寒さの残るこの時期は、体が硬くなりがち。手首を柔らかく動かすことで筋肉のこわばりがほぐれ、血行促進にも役立ちます。また、高齢になると関節の可動域が狭くなり、だんだん動きにくくなってきます。座ったまま、横になったままでもできる体操なので、高齢の方にもお勧めです。日頃から手首を動かしておくと、万が一転倒したときでも体を支えることができ、骨折予防にもなります。


上下、左右に手首を振る

(1)両肘を曲げて、手首を上下に柔らかく振ります。約10秒間行います。

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(2)同じポーズのまま手首を左右に振ります。約10秒間行います。

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【応用編】
(3)右手首を上下に、左手首を左右に振ります。頭も使うため、(1)(2)ほど簡単ではありません。ゆっくりでよいので挑戦してみましょう。

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ポイント
指先、手首、肩の力を抜いて、リラックスして行いましょう。