雪のトンネルの向こう
気象予報士(株式会社ハレックス)●檜山靖洋
1月5日は二十四節気の小寒(しょうかん)、20日は大寒(だいかん)です。一年の中で最も寒い時期に入り、雪国では積雪も増え、厳しい季節になっていきます。
冬の間、雪や寒さを逆手に取って、おいしい野菜を作っている地域もあります。雪の下で育てる「雪下にんじん」や、あえて霜に当てて育てる「霜降り白菜」などです。寒さに耐えると甘味が増すということです。雪を生かして造るおいしいお酒もあります。「雪中貯蔵酒」です。搾りたての生酒が入ったタンクを雪室(ゆきむろ)などに入れ、雪で覆い尽くし、雪解けになるまでじっくりと熟成させます。雪の中では低温で一定に保たれるため、ゆっくりと均一に熟成され、まろやかでうま味の多い日本酒ができるそうです。
大雪と厳しい寒さを乗り越えた先には、おいしいお酒が待っているということです。今から楽しみですね。