新たまねぎ「たま坊」
旬の食材同士を組み合わせる「出会いもの」は、1年のうちで限られた期間しか味わえない贅沢な味です。代表的なのが「筍とワカメ」の若竹煮、「大根とブリ」のブリ大根、すだちに秋刀魚の組み合わせなどです。
春は新ものがたくさん出そろいます。今回取材したのは「新たまねぎ」。茶色い皮の乾燥した黄たまねぎは一年中食べられますが、水分が多くて柔らかく、独特の辛みが少ない「新たまねぎ」はこの時期ならではのもの。愛知県のJAあいち知多では新たまねぎを「たま坊」というブランド名をつけて4月まで出荷しています。
知多半島のつけ根部分にあたる東海市は新たまねぎの産地として有名です。取材に訪れた時は、ちょうど「あいち白」という愛知伝統野菜に指定されている品種の収穫を行っていました。明日から天気が崩れるというので、急ピッチで作業が進みます。
たまねぎは1本ずつ手で引き抜いた後、茎を切り取って畑に広げ、丸2日間天日乾燥します。その後、専用の機械で土や外皮などの汚れを落とし、選別・箱詰めしていきます。
白いたまねぎがみずみずしくて、見るからに柔らかそうです。生のままサラダにするのがおすすめですが、電子レンジで丸ごとチンすると、トロ~リとした食感と甘みが際立ちます。
まずは、オニオンスライスに鰹節をたっぷりかけていただきます。次は、旬の桜えびとかき揚げに、いやいや春キャベツとキッシュに等々、出会いものを考えるのも贅沢なひとときです。
期間限定の「たま坊」をお見逃しなく!