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2021年2月

2021年2月26日 (金)

野菜もの知り百科:ブロッコリー(アブラナ科アブラナ属)

土壌医●藤巻久志

 ブロッコリーもカリフラワーもアブラナ科アブラナ属の野菜で、原産地は地中海沿岸です。カリフラワーはブロッコリーが突然変異で白化した品種といわれています。日本ではカリフラワーが先に普及しました。本格的な普及はカリフラワーが1960年代、ブロッコリーが1980年代です。現在のブロッコリーの流通量はカリフラワーの5倍以上です。
 カリフラワーの和名は花椰菜(はなやさい)です。ブロッコリーは1970年代までは木立(こだち)花椰菜や緑花椰菜と呼ばれていました。花椰菜という言葉は今ではほとんど使われていません。
 抗酸化作用の強いカロテンとビタミンCが豊富で、生活習慣病の改善が期待されています。近年はブロッコリーに含まれているスルフォラファンの抗がん性が注目されるようになりました。葉菜類に分類されますが、食べるのは葉ではなく花蕾(からい)なので、栽培は果菜類に準じます。栄養成長(茎葉が大きくなること)と生殖成長(花や実が付くこと)のバランスが大切です。株を作りながら、花蕾を大きくします。
 多くのブロッコリーは厳寒期になると、花蕾にアントシアニンの紫色が出ます。加熱すると緑色になり問題はないのですが、見た目で市場価格は下がります。主要産地ではアントシアニンレスの紫色にならない品種を栽培しています。
 ブロッコリーはイタリアで品種改良が進み、17世紀に欧州各国に広まりました。米国の大産地、カリフォルニアでは19世紀にイタリア系移民が栽培を始めたといわれています。
 低温流通が普及し、ブロッコリーは中国やインドでも大量に消費されています。海外で栽培されている品種の半分以上は日本の種苗会社が開発した物です。日本の野菜の育種技術は世界のトップクラスです。

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藤巻久志(ふじまきひさし) 種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土作りに関して幅広くアドバイスを行う。

肩呼吸で指先までリラックス

健康生活研究所所長●堤 喜久雄

 少しずつ暖かさが増してきます。寒さで凝り固まった体を温めていく運動をご紹介しましょう。
 手の親指には、呼吸器系と密接な関係がある経絡(東洋医学でいう気の通り道)が通っています。この経絡は気持ちを落ち着かせる効果があるとされています。親指を意識して握り方を変えながら深く呼吸をすることで、全身へエネルギーが流れ、首や肩、腕の疲れを和らげていきます。
 5~6秒かけて鼻から息を吸い、同じく5~6秒かけて口から吐きます。30秒ほどこの運動を繰り返します。


親指の位置を変えて刺激を入れる

(1)手を握り(親指は手の中で握る)、息を鼻から吸いながら両肩を上げていき、疲れている首や背中にも力を込めます。

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(2)息を口からゆっくり吐きながら両手、首、肩の力を抜いていきます。このとき、姿勢を真っすぐに保ちます。

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(3)次に、親指は手の外で握り、(1)と同じように息を鼻から吸いながら両肩を上げていき、疲れている首や背中にも力を込めます。

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(4)(2)と同じ動きをします。(1)から(4)を数回繰り返します。

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