2019年4月23日 (火)

予防したい日焼け

健康科学アドバイザー●福田千晶

 春の晴れた日は気持ち良いけれど、紫外線がたっぷり降り注ぎ、その害が気になります。紫外線の浴び過ぎは、肌にしわや染みを作り、場合によっては皮膚がんの誘因にもなりかねません。ですから、屋外での農作業やレジャーのときには肌をしっかり防御したいものです。
 長袖と長ズボン、つばの大きな帽子をかぶりましょう。帽子は、野球帽のような前面だけでなく、麦わら帽子のような後ろ側にもつばが必要です。皮膚が薄くしわになりやすい首は、手拭いやスカーフで覆うことが望まれます。もちろん手袋も欲しいです。
 日焼け止めクリームは、小まめに塗り直すのが良いので、外出時には携帯しましょう。顔だけでなく、首や耳、耳の周囲も忘れずにやや多めに塗ると安心です。手の甲も染みができたり、加齢的な変化が表れやすいので、手袋ができないときは、日焼け止めクリームが必要です。
 ただし、日焼け止めクリームは、肌の刺激になり肌荒れなどを起こす人もいます。専用のクレンジングクリームなどできれいに落としてから、せっけんを使い洗い流しましょう。面倒に感じられるかもしれませんが、毎日の積み重ねで美肌を維持できる人、そうではない人の差ができるのです。サングラスは皮膚が薄い目の周囲の肌を守る役割もあります。UVカット機能の付いたサングラスは、目を紫外線から保護してくれます。目も長年にわたり紫外線を浴び続けると、白内障など目の病気の原因になります。
 おしゃれも健康保持も兼ねて、サングラスは上手に使いたいアイテムです。黒過ぎるサングラスは光りが入りにくいため、かえって瞳孔が開き目の中に入る紫外線が増えてしまうのは意外なことです。薄めの色でUVカット付きのサングラスがお薦めです。母の日や父の日のプレゼントに、サングラスを選ぶのも良いのではないでしょうか?

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朝の目覚めの手足体操

健康生活研究所所長●堤 喜久雄

 目覚めが悪く布団の中でゴロゴロしてしまい、起き上がるまでに時間がかかる方もいるのではないでしょうか。今回は、目覚めてすぐ、布団の中で横たわったままの状態で行う体操をご紹介します。
 目覚めたばかりは頭がボーッとして血液の流れも滞っています。いきなり起き上がるのではなく、手と足の指先を握ったり開いたりと動かして体を徐々に目覚めさせていきます。
 今回の体操の動作を繰り返しているうちに、血液の巡りが良くなり、体温も温まってきます。体が動かせるようになり、起き上がるきっかけがつかめるでしょう。日の出もどんどん早くなるこの時期、すがすがしく目覚めて、朝から爽快に動けるといいですね。


布団の中で手足グーパー

ステップ1

(1)布団の中であおむけに深呼吸をしながら体を伸ばします。

(2)そのままの姿勢で、両手と両足を同時にグーにします。手の親指は内側に握り込み、足の甲を伸ばして指を丸めます。手の向きは上でも下でもどちらでもOK。

(3)両手と両足を同時にパーにします。この体操を最初はゆっくりで構わないので10回ほど繰り返します。

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ステップ2

(4)目が覚めてきたら少しずつ力を入れます。5秒に1回グーパーするペースで、さらに10回ほど続けてみましょう。
(5)徐々に体が動くようになってきたら、両手を頭の上に万歳するように伸ばし、同じ動作を繰り返します。

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グーとパー手の形

親指を中に入れる

指を大きく開く

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グーとパー足の形

強く折り曲げる

指を大きく開く

2019年3月28日 (木)

大切な春雨

気象予報士(株式会社ハレックス)●檜山靖洋

 4月20日は二十四節気の穀雨(こくう)です。必ずしもこの時期に雨が多いわけではありませんが、周期的に雨が降ったり、時には前線の影響で雨が続いたりすることもあります。この時期の雨は百穀春雨ともいわれ、百穀を潤し成長させる雨として、植物や農作物にとっては、とても大切です。
 春雨を絵で描くとすれば、細い線で表現されます。雨粒が細かく、しとしと降る雨で風情があります。そんな春雨をイメージしたような食べ物が、その名もズバリ「春雨」です。春雨サラダ、春雨スープなど、ごま油を使って中華風にすると、よく合いますね。
 緑豆やジャガイモ、サツマイモのでんぷんで作られているため、消化も良く、炭水化物も取れます。新生活の疲れで食欲がなくなりがちなこの時期に良さそうです。春雨に風情を感じながら、春雨料理で疲れを癒やすのもお勧めです。

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座って全身運動その1 手足20本の体操

健康生活研究所所長●堤 喜久雄

 いよいよ農作業が本格的に始まります。とはいえ春先は寒い日と暖かい日が交互に訪れ、体調を崩しやすい季節でもあります。今回ご紹介する体操は、座ったままで行えるグーとパーだけを使ったシンプルなもの。手足同時に動かすことがポイントです。
 夜、手先や足先が冷たくて寝付けないとき、あるいは朝起き抜けに体が動かないときなどに行うのがお勧めです。運動量は少なくても、血行促進に効果があります。脳梗塞や心筋梗塞の予防にも役立ちます。
 慣れてきたら右半身と左半身の使い分けをするなど応用してみましょう。スピードを変えたり、「グー、パー」と声に出したり、立ってやってみたりと自由自在にアレンジが可能です。シンプルな動きだからこそ、飽きずに続けられる体操でもあります。


ステップ1 手足同時にグーパー

(1)椅子に座り、両手と両足同時にグーにします。手の親指は内側に握り込み、足は床から爪先を上げて指を丸めます。

(2)両手と両足を同時にパーにします。このとき、爪先は床に着け、指をリラックスさせます。このグーパー体操を1分間、秒針の速さで交互に繰り返します。

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ステップ2 右半身と左半身で交互にグーパー。

(3)右手と右足をグーに、左手と左足をパーにします。
(4)右手と右足をパーに、左手と左足をグーにします。ステップ1と同じ速さで繰り返します。

2019年2月27日 (水)

めまいへの対処法

佐久総合病院名誉院長●松島松翠

 急に立ち上がったときに、目の前が暗くなったり、クラクラッとする立ちくらみ。これはなぜ起こるのでしょうか。これを防ぐにはどうすればよいでしょうか。
 めまいには、三つの種類があります。冒頭で述べたようなクラクラする立ちくらみは、めまいの中では最も多いものです。立ちくらみの主な原因は、起立時の急激な血圧低下で、脳への血流量が少なくなることです。普段から低血圧気味の方は、急に立ち上がらないように注意してください。もし症状が起きたら、横になって頭を低くしているのが良いでしょう。
 二つ目のめまいはふわふわするめまいです。体がふわふわ浮かんでいるような、またはふらふら揺れているようなめまいです。患者さんによっては、宙に浮いているように感じたり、柔らかいソファーの上に立っているように感じることもあるようです。
 これは過労や睡眠不足、ストレス、不安などで心身が不調なときに起きやすいとされています。その他、内耳の病気で起こったり、まれに脳の病気が原因の場合もあります。
 三つ目は、ぐるぐる回るめまいです。自分や周囲が激しく回転しているように感じます。このタイプのめまいは、主に内耳の病気が原因で起こります。メニエール病や前庭神経炎などがあります。
 対処法としては、十分に休んでもめまいが改善しなかったり、症状がつらい場合には、耳鼻咽喉科を受診してください。
 めまいと同時に、激しい頭痛が起こる場合、手や脚のしびれやマヒが出る場合、ろれつが回らない場合は、できるだけ早く救急外来や脳神経外科を受けてください。

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お風呂で疲れを癒やす

健康生活研究所所長●堤 喜久雄

 3月とはいえ寒さが続きます。肩や首、背中がこわばるような感じはありませんか。寒さで筋肉が縮む上、衣類を着込むことで動きが制限され、血行不良になることが原因といわれています。体の凝りをほぐしていくことを意識していただきたいと思います。
 手っ取り早い解決法は入浴です。特に寒い時期は温かいお風呂に入って、しっかり体を温めたいもの。入浴中に指先体操を行うことで血液の巡りが良くなり、より効果的に疲れを癒やすことができます。併せて足先もほぐすと良いでしょう。
 気を付けたいのは、お湯の温度。38度から40度程度のぬるめのお湯がお勧めです。また、居間と脱衣所と浴室の温度差をできるだけ小さくしておくことも忘れずに。急激な温度変化は血圧などにも影響を与え、体に負担をかけることになります。
 体操はゆっくりで構いません。全身を十分ほぐしてリラックスできたら、寝付きも良くなりますよ。


ステップ1 お風呂でグー・チョキ・パー!

(1)湯船の中で両手を使ってグー・チョキ・パーを繰り返します。

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(2)同様に足指でもやってみましょう。

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ステップ2

慣れてきたら、手と足でじゃんけんしましょう。

2019年1月30日 (水)

草生える季節

気象予報士(株式会社ハレックス)●檜山靖洋

 2月は「如月(きさらぎ)」ともいいます。「小草生月(おぐさおいづき)」や「草木張月(くさきはりづき)」という別名もあります。
 2月になると暖かい日が出てきます。「光の春」という言葉もあるように、日差しは確かに明るさ・強さを増してきます。小草生月や草木張月という言葉が表すように、日差しの強さ、気温の上昇により、小さな草があちこちで芽吹きます。茶色一色だった風景に少しずつ緑が加わります。小さな生命の力強さを感じ、生き生きとした気分を味わえる季節です。草生える季節から次第に山笑う季節となっていきます。
 暖かい日があってもまだ寒さが残ります。如月は「衣更着」とも書きます。寒さが戻り、衣服をさらに着ることがあるためです。気温の変化が大きく体調を崩しやすいです。風邪をひかないように気を付けましょう。

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散歩をしながら脳トレ

健康生活研究所所長●堤 喜久雄

 散歩を楽しみながら、指先を動かして頭脳トレーニングも取り入れてみませんか。
 手の動きに意識を向ける手指体操だけでも脳に刺激が入りますが、歩く動作を加えることで脳トレ効果がアップします。また、漫然と歩くより歩調もリズミカルになることで全身運動になり、血行も促進されます。特に寒い時期はお勧めです。
 腕を前後に振る動きに合わせて手指を動かします。リュックを背負うなど両手が空いているのが理想的ですが、片手が空いていればできる体操です。最初はグーパーの動きをし、慣れてきたら指を順番に曲げていきます。
 発声は小さい声でもいいので、舌と口を正確に動かしましょう。慣れてきたら曲げる指の順番を変えたり、指を曲げた後に広げる動きを加えたりと自分なりに変化をつけるとバリエーションは広がります。思い付くままにいろいろとトライすることで、脳の若さを保ちましょう。


ステップ1

(1)手を前後に振る際、前に出る手をパーにします。

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(2)後ろに来る手はグーにします。

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ステップ2

(3)手を前から後ろに出して一振りと数え、1から5まで声に出して数えます。前に出したときに「1」と数えて親指を曲げ、「2」で人さし指を曲げます。小指まで曲げて「5」です。

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(4)リズミカルにできるようになったら、今度は同様の掛け声で小指から順番に曲げていきます。


2018年12月27日 (木)

屋根に力士300人?

気象予報士(株式会社ハレックス)●檜山靖洋

 日本海側の山沿いでは、冬には雪下ろしを頻繁にしないといけません。寒い冬になり雪が多い年はいっそう大変です。
 新雪のサラサラ雪でも、1立方mで100kgの重さがあります。10m四方の屋根の家には10トンの重さがかかります。雪は時間とともに重さが増し、同じ1立方mの雪でも、ざらめ雪になると最大500kgにもなります。10m四方の屋根の上に50トンの重さになります。力士1人の体重が150kgとすると、普通の家の屋根の上に300人以上の力士が乗っているのと同じです。この重さが屋根や柱にかかり、家が倒壊する恐れもあります。このため、雪下ろしを小まめにする必要があります。
 雪下ろし作業は危険を伴いますので、必ず複数の人で、命綱を着け、ヘルメットをかぶるなどの安全対策をして行いましょう。

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風邪のひき始めにつぼ刺激

健康生活研究所所長●堤 喜久雄

 寒い季節は空気が乾燥して風邪をひきやすくなります。今回は、せきや喉の痛みなど呼吸器系の症状を和らげ、風邪に効果的といわれるつぼを使った体操をご紹介します。
 腕の内側にある、孔最(こうさい)と呼ばれるつぼを、反対側の親指で強めに押しながら、手をグーパー繰り返しながら動かします。ちなみに、風邪のときに孔最を押すと痛みが感じられることもあります。
 パーは指先まで伸ばします。秒針程度の速さで始め、慣れてきたら少しずつ速くしてみましょう。「イチ、ニ、イチ、ニ」と声を出しながらリズミカルに行うと良いでしょう。
 応用として、グーのときの親指を、内側と外側の交互に出し入れしながら動かすと、より刺激が入ります。風邪のひき始めに、ぜひやってみましょう。


つぼを押しながらグーパーグーパー

(1)右腕は内側を向け、左の親指で孔最を押さえます。

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(2)右手のこぶしを握りながら(グー)、右腕を軽く曲げます。

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(3)右腕を伸ばしながら手を開きます(パー)。

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(2)(3)の動きを20秒ほど繰り返します。左手も同様に行います。

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孔最は肘の内側から5~6cm分下