埼玉伝統の縁起野菜「くわい」
くわいは、勢いよく芽が伸び出る姿が「めでたい」「芽(目)が出る」、地下茎に子球をたくさんつけることから「子孫繁栄」の縁起物として、昔からおせち料理で珍重されています。
埼玉県の綾瀬川流域は古くから低湿地で豊富に水があり、水田で育つくわいの栽培が盛んになりました。県の伝統野菜のひとつでもあります。栽培品種は外皮が青藍色の輝きをもつ「青くわい」です。
収穫期間は11月下旬から12月上旬まで。水底の地中に伸びた“ほふく茎”の先に育つくわいの収穫は、冷え込みが厳しいこの季節、水が張られた田んぼでの作業が続きます。主に正月の準備に合わせて出荷される季節商品のため、短期集中の作業です。
煮しめにしておせちでいただくのは定番ですが、生産者の方は、小ぶりのクワイをそのまま丸ごと素揚げにして手軽に食べているそうです。薄切りにして揚げたくわいチップスはサクサクとしてお酒のつまみに最高だとか。是非お試しください!
和食が無形文化遺産に登録されたのを機会に、正月のおせち料理などの食文化、地域の伝統的な食材などの大切さを改めて見つめ直してみてはいかがでしょうか。