春を代表する食材「たけのこ」
今回、取材で訪れたのは千葉県夷隅郡大多喜町です。房総半島のほぼ中央に位置し、森林が町全体の70%を占める、緑豊かな自然環境にあります。大多喜町産のたけのこは「白たけのこ」と呼ばれ、色白で、えぐ味(アク)が少ない、高品質のたけのことして市場で高い評価を得ています。
「白たけのこ」と呼ばれるだけに、芽が地上に出るか出ないかのうちに、たけのこのありかを地面の「ひび割れ」で見つけて掘り出します。
アクがなく甘くて美味しいたけのこは野生動物にも狙われやすいため、竹林の周りに電柵を張って防いでいます。
「サルやシカ、イノシシなどが食べにきます。イノシシは全部掘って食べていきますが、サルは穂先だけ食べて荒らしていくのでやっかいです」と生産者の森さんは話します。
4月の収穫最盛期には、朝5時半頃から収穫を始め、選別・箱詰めをして夕方3時頃には出荷します。たけのこは鮮度が命。掘りたてのものは茹でるだけで、料理に使えますが、時間が経つにつれアクが強くなるので、購入したらすぐにアク抜きをしましょう。たけのこごはんはもちろん、柔らかい穂先の部分は「和え物」や「酢の物」に、中心部分は「煮物」「焼き物」などで楽しみましょう。
「ゆでる鍋がない」という消費者の声で、市場流通の中心は1㎏前後のMサイズとなっています。でも「実際食べて美味しいのは太くて大きいもの」と、産地の人はいいます。
なるべく大きなたけのこを買い求め、味の違いを確かめてみるのもいいですね。
4月いっぱいまで大多喜産の孟宗竹が楽しめます。