2020年2月26日 (水)

フィンガーダンス中級編

健康生活研究所所長●堤 喜久雄

 人さし指と小指のペアによるフィンガーダンスです。普段あまり使わない小指も鍛えます。指先に集中して繰り返し練習しましょう。
 音楽を流しながら行います。音楽には、脳と体の健康を促進する不思議なパワーがあると考えられます。元気が出る音楽、リラックスできる音楽など、自分なりにコレクションしておくことをお勧めします。音楽のジャンルにこだわる必要はありません。クラシックでも懐かしい演歌でもよいのです。
 慣れてきたら前後左右斜めにステップしたり、動きに緩急をつけたりして楽しく踊ってみましょう。


人さし指と小指でステップを踏む

(1)テーブルなどの台上に、両手の人さし指と小指の指先を置きます。

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(2)「いち」で右手の人さし指と左手の小指を曲げて、台から持ち上げます。右手の人さし指は左手の人さし指の前に出します。

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(3)「に」で右手の人さし指を左の指の前に伸ばして交差させるように台の上に下ろします。同時に左手の小指も下ろします。

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(4)今度は「さん」で、左手の人さし指と右手の小指を上げます。

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(5)「し」で左手の人さし指を右の指の前に来るように下ろします。これがフィンガーダンスのステップです。

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2020年1月29日 (水)

パンとご飯

食育インストラクター●岡村麻純

 パンとご飯。食事の主食としてよく比較されるこの二つですが、実は、比較するには違和感があるほどの違いがあります。それは、ご飯は収穫された新鮮なお米、いわば生鮮食品に水分を加えて炊くだけの物。一方、パンは、小麦に砂糖や塩、油脂などを加えて作る加工品です。そのため、ご飯とパンではカロリーはさほど変わりませんが、パンの方が脂質は多く、加工品な分その他の添加物も増えてしまいます。また、ご飯の場合、お米を粒のまま食べるので、口の中で粒をすりつぶして食べます。そのため、かむ回数が多くなり、消化にも時間がかかり、腹持ちが良くなります。一方パンは小麦を細かくすりつぶした物なので、あまりかまなくても消化できてしまいます。日本にはおいしいお米がたくさんあり、基本的にはご飯を主食にしたいと考えています。
 しかしながら、子どもたちはパンも大好き。母にとっても、特に忙しい朝は、自分でパクパク食べてくれるパンはありがたい存在です。そこで意識しているのが、パンを作るとき、軟らかくて砂糖がたっぷりのパンよりも、砂糖や油脂が少ないフランスパンなどのハード系のパンを中心にすることです。硬めのパンならば、かむ回数が増えますし、軟らかいパンにジャムを付けて食べるよりは、フランスパンなどに、チーズやハム、卵をのせて食べてくれた方が糖質も抑えられます。それでも軟らかいパンが食べたいと言われたときは、全粒粉を加えたパンにしています。全粒粉には不足しがちな鉄分が多く含まれ、食物繊維も豊富です。
 食事には、体に良い物を食べて健康的な体をつくるという役割の他に、大好きな物を食べて幸せを感じるという心の健康をつくる役割もあると思っています。だからこそ、毎日の食事では、こだわり過ぎず、でもちょっとの工夫で少しでも栄養バランスの良い食事になるようにと心掛けています。

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岡村 麻純(おかむら ますみ) 1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。
公式ブログ:https://ameblo.jp/masumiokamura/

フィンガーダンス初級編

健康生活研究所所長●堤 喜久雄

 人さし指と小指を使ったテーブル上のフィンガーダンスです。普段はあまり使わない小指をしっかり動かすことがポイント。音楽をかけリズムに合わせて指全体をよく曲げ伸ばししてメリハリのある動きで行います。音楽の代わりに歌を口ずさみながら行っても良いでしょう。
 上げる指は意識して曲げるようにします。指先に集中して繰り返し練習しましょう。慣れてきたらアップテンポの音楽にしたり、動きに緩急をつけたりして楽しく踊ってみましょう。


人さし指と小指の曲げ伸ばし

(1)テーブルなどの台上に、両手の人さし指と小指の指先を置きます。

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(2)「いちに、いちに」のリズムで、右手の人さし指と左手の小指だけを上げたり下ろしたりします。

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(3)次に、「いちに、いちに」のリズムで、左手の人さし指と右手の小指だけを上げたり下ろしたりします。

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(4)慣れてきたら(2)と(3)の動きを交互に繰り返します。

2019年12月26日 (木)

寒くなると増える腰痛に注意

健康科学アドバイザー●福田千晶

 寒い季節に増える健康問題の一つが腰痛です。屋外での農作業や、年末の大掃除などは腰痛になりやすいので注意が必要です。
 腰痛が最も起きやすい状況は、重い物を持ち上げたとき。腰に大きな負担がかかりギクっとくるのです。予防するには日頃からストレッチで柔軟性を養い、筋力強化も行い、持ち上げる重さに負けない体をつくることが必須です。物を持ち上げるときは、上体だけを前屈して腰のパワーで持ち上げるのではなく、かがんで物をしっかり持ち、足腰の力を総動員して立ち上がりつつ持ち上げると、腰への負担が減らせます。重量挙げの選手の競技の様子を思い浮かべ、見習いましょう。
 前かがみの姿勢は、腰に負担がかかります。農作業、物を箱に詰める、掃除機をかけるなどの家事、育児や介護などにも前かがみ動作はいっぱいです。寒い時期は体を冷やさない服装を心掛け、作業の合間には腰を伸ばしリラックス、疲れた夜には入浴で心身をほぐしておきます。ストレスもメンタル不調も腰痛の原因になり得るという報告があります。腰痛予防には、気持ちのゆとりも大切です。体重増加も腰痛の誘因になります。年末年始は飲食の機会が増え、太りやすい時期。腰痛予防には体重管理も欠かせません。
  腰痛にも、骨粗しょう症など骨に問題がある、腰椎すべり症など骨の並び方に問題がある、腰椎椎間板ヘルニアなど椎間板に問題がある、腰部筋膜症など筋肉の問題があるなど、いろいろな状態があります。さらに腎臓や子宮など体の内部の病気が原因の腰痛もあります。ですから、激痛を伴う場合、繰り返す腰痛や長引く腰の痛みがあれば、まずは整形外科を受診してレントゲン検査などをして正しい診断を受け、その状況に合った治療や生活上の対策をすることが大切です。腰痛を予防し、冬も快適に過ごしたいですね。

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孫や子どもと一緒に遊ぼう

健康生活研究所所長●堤 喜久雄

 時代の流れとともに子どもの遊びも変わってきました。お手玉やおはじき、あや取りや折り紙など、昔は手を動かす遊びが多かったのです。手と脳の発達過程から考えても手を動かす遊びが復活してほしいものです。
 ご紹介するのは、孫や小さな子どもが喜びそうな形の、ユーモラスなフクロウを作る体操です。良い反応が返ってきたら、手の動きが良い証拠です。喜んでもらえなければ、やり方や見せ方、説明の仕方を工夫することが必要かもしれません。うまくいったら、次は孫や子どもにも教えて一緒にやってみましょう。


指でフクロウの形を作る

(1)両手の指をしっかり絡めて握ります。

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(2)握っていた手のひらを開いていきます。小指の根元はしっかり合わせたままです。

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(3)中指を曲げます。そして交差している薬指の指先を、人さし指を曲げて包み込みます。

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(4)手のひらの親指側を付けます。薬指の指先がフクロウの目になります。フクロウのように見えますか?

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2019年11月28日 (木)

菜園の冬越し いろいろな工夫で長く収穫を楽しむ

園芸研究家●成松次郎

 寒さに向かい、冬野菜の収穫や越冬させる野菜の防寒対策など、大切な作業が控えています。
 冬の晴夜には地面や野菜から熱が奪われ、急激に温度が下がります。これを放射冷却といい、寒害を起こすことがあります。
[被覆資材で防寒]トンネルや不織布のべた掛けは、防寒効果が高いので、上手に使いましょう。ただし、トンネルの密閉は日中に気温が上がり、軟弱に育ってかえって耐寒性を低下させます。穴開きフィルムの利用や裾を少し開けておいても防寒効果があります(図1)。
[身近な材料を使う]北風を防ぐだけで、野菜周辺の気温を高める効果があります。畝を東西方向に作り、畝の北側は10cm程度に土を盛ると良いでしょう。ササタケを畝の北側に野菜を覆うように斜めに立てる方法は、先人の知恵です(図2)。
[土寄せなどの工夫]ダイコン、カブ、ニンジンは、地上に出ている肩に土寄せして寒害を防ぎます。ハクサイやカリフラワーは、外葉の葉を内側に縛って包みます(図3)。イチゴ、エンドウは株元に落ち葉や刈り草を敷いて防寒します。
[保存・貯蔵]キャベツ、ハクサイを畑や庭で保存するには、株をぴったり並べ、わらや落ち葉で覆い、その上にむしろを掛けておきます。雪の多い地方では、ビニールなどで屋根掛けします。ダイコン、ニンジンは葉を切り落とし、深さ30cmくらいに埋(い)け込みます。
 サトイモ、サツマイモは、排水の良い所に深さ50~60cmの穴を掘り、サトイモでは子芋、孫芋を崩さないように逆さに埋け、サツマイモは芋づるを付けたまま埋けて、30cmくらいに盛り土して、上をシートで雨よけします(図4)。なお、温暖地では、芋類は発泡スチロールのトロ箱に入れ、冬の利用に備えます。また、サトイモは畑から掘り上げなくても、土を厚く掛けておけば、十分冬越しできることもあります。

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※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。


足し算指曲げで脳を活性化

健康生活研究所所長●堤 喜久雄

 数を数えるときに指を曲げるのは、子どもの頃から変わりません。おなじみの動作も、曲げる順番を変えるだけで、脳にぐっと刺激が入ります。数を数えるときには、できるだけ声に出して行うと、さらに活性化されてお勧めです。
 この体操は指の働きや腕の筋肉、神経なども使いこなしていきますので、集中力アップと血行促進にも役立ちます。指の曲げ伸ばしの機能は大切です。ゆっくりで構いませんので、しっかりと正確に動かしましょう。
 最初は秒針の動きに近い速さを目安に練習してください。慣れてきたら、徐々にスピードアップさせるといいですね。


左右の指をずらして数える

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(1)左手の親指だけを先に曲げます。この状態が「足し算指曲げ」の構えです。

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(2)「いち」で両手同時に1本ずつ曲げます。左手が2本、右手が1本曲がります。

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(3)「に、さん……」と順に曲げていき、「よん」で左手の指は全部曲がります。そこから今度は指を伸ばしていきます。「ご」で左手の小指は伸びています。

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(4)「じゅう」まで曲げると元の構えに戻ります。

反対に、右手の親指を先に曲げておき、同様に行いましょう。

2019年10月30日 (水)

ナベヅル

ナベヅル

●日本生態系協会

 日本を代表する鳥といえば、「ツル」は上位に来るのではないでしょうか。白く美しい姿で、頭のてっぺんが赤い、あのタンチョウをはじめ、世界に全部で15種いるツルのうち、なんと約半分の7種が日本に飛来していることはあまり知られていません。日本は世界を代表するツル大国なのです。
 ツルは、日本全国の水田などに餌を食べに訪れる身近な存在で、民話にもよく登場しています。江戸期には幕府が天皇家への献上品としていたため、特別な存在でもありました。
 特に、鍋のススがかかったように見えるその姿から名付けられたナベヅルは、繁殖地のロシアや中国などから秋に日本や韓国などに渡って越冬する全長90~100cmほどの小型のツルで、日本が世界最大の越冬地です。しかし、明治以降は狩猟が一時的に野放しになったことや、人々の暮らしが変化し、ツルたちが好む水田や湿地、谷津などの環境が失われていき、すみにくい状況になってしまいました。
 現在、世界にいるナベヅルの8割以上に当たる1万羽以上が鹿児島県の出水市に飛来しています。その大群は圧巻ですが、1カ所に集中してしまうと、あぜ崩れや食害などの農業被害(現在は効果的な対策が取られています)や、鳥インフルエンザなどの感染症による絶滅の危険性が心配されます。これを受け、環境省による生息地分散の検討が行われています。地域の農家の方をはじめとした住民の協力を得て2番穂や生き物が豊かになるツルに配慮した農法を行ったり、寝ぐら環境を整えたりすることで、最近ではかつての生息地だった和歌山県から中国・四国地方でも、その姿が見られています。
 ツル大国・日本に住んでいても、彼らを見たことがない人も多いのではないでしょうか。生き物にも配慮した農業を心掛けることで、動物園や図鑑の中の存在ではない、本当の姿を、あなたの町でも見られる日が来るかもしれません。

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右脳体操で創造力を高める

健康生活研究所所長●堤 喜久雄

 パソコンの普及に伴って、デスクに座ったままの時間が長くなりました。一方で運動量は減少しがち。体の各器官は動かさないと疲労もたまりやすくなり、能率も低下してしまいます。デスクワークの合間に手指体操を行って、脳を刺激してみましょう。
 人間の脳は右脳と左脳に分かれています。右脳は創造力や企画力、左脳は計算力や分析力を受け持つ脳です。そして、右手は左脳と、左手は右脳と密接な関係にあります。また、多くの人は右利きで、左脳を活発に動かすことが多いといえます。
 今回は、左手の指先を1本ずつ動かす体操で、右脳へエネルギーを送り込んでいきます。気を付けたいのは、動かしている指以外の指は動かないように、しっかりと伸ばした状態で行うことです。指によっては難しい動きもありますが、無理なくできる範囲で構いません。デスクの前だけでなく、会議や打ち合わせなどで煮詰まったときなどにも行ってみるのもお勧めです。


左手の屈伸体操

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(1)「いち」で人さし指の第2関節を曲げます。

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(2)「に」で人さし指の指先の付け根を曲げ、手のひらと直角方向に伸ばします。

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(3)「さん」で再び人さし指の第2関節だけを曲げます。

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(4)「よん」で人さし指の指先を伸ばします。この「いち、に、さん、よん」を5回繰り返します。ゆっくりで構いません。残りの3本の指でも同様に行います。

2019年9月27日 (金)

蟋蟀戸に在り

気象予報士(株式会社ハレックス)●檜山靖洋

 一年間を24に分けて季節を表す二十四節気に加えて、その二十四節気をさらに三つに分けて季節を表す七十二候というのがあります。10月8日は二十四節気の寒露(かんろ)です。寒露の中の3番目の七十二候は「蟋蟀(キリギリス)戸に在り」で、10月19日です。昔はコオロギのことをキリギリスと呼んだそうで、コオロギなど秋の虫たちが戸口で鳴き始める頃という意味です。
 10月は、昼間はまだまだ暑い日もありますが、朝晩はだいぶ涼しくなります。秋の虫たちの声を聞くと、いっそう季節の歩みが感じられるようになります。次の二十四節気は霜降で、霜が降りる時期も近づき寒い冬へ向かう入り口ともいえます。
 「キリギリスとにあり」と聞いたら、「アリとキリギリス」を思い出して、アリに見習って冬への備えでも始めましょう。

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